HARLEY-DAVIDSON FL 1942
HAMMER SYCLE
ハマープロジェクト第3弾
ストックスペックでの抗戦
「組み上げたのは3年前だけど、構想はもう十何年。ウチでは3年ごとに宣伝と勉強を兼ねてプロジェクトバイクを作るんですけど、これがその3台目なんです」
エンジンワークに強いショップとして知られたハマーサイクルの’42年式FLである。過去2台のプロジェクトバイクはサーティーズのEL、’40年式のELと、共にELベースだったため今回はFLを材料に選んだそうだ。
「エンジンはストック。可能な限り当時のスペックで組んで、余計なことをしないでカチッとバランスだけ取ってあげようと。まああとは、外付けのパーツを使ってどれだけポテンシャルを上げられるのかというのを目的と目標にしてやりました」
縦と横に堂々たる体躯を持つ濱田さんは、見た目の豪快な印象そのままに、男っぷりの良い低い声で、こう続けた。
「このバイクで一番特徴的なのはツインキャブ。外付けのパーツですよね。そのリンカートのマニホールドを使ってどれだけいけるのか、そもそも走るのか走らないのかだとか、ノーマルのエンジンに対してのスープアップというのを試したかったということですね」
自分が手を入れて煮詰めた結果をフィードバックさせるのが前提のプロジェクトバイクである。そこに一切の妥協は無く、スペシャリストとしての探究心がより推進力を増してゆく。
「エンジンをすべて純正部品で再現するとなれば限りがあるので、そこは現代のリプレイスメントパーツを使いながら。ただフライホイールやコンロッド、ギヤといったおおよその中身に関しては純正のガタを取って、ブッシュとベアリングを処理して再利用してます」
そして、氏の好物でまとめたエクステリアである。伝説的モーターサイクルメーカー『クロッカー』に在籍していたビグスビーというキーパーソンが、社を辞めた際に製作したと言われるラバーマウントのハンドル&ライザー。40年代のハンソンスポーツウインドシールドや、フェンダーフラップに付けたジュエルとオイルタンクは39年製をあしらうなど、当時のリアルと対峙し続けて来た濱田さんならではの選択でまとめられている。
最後に、この3台目のプロジェクトバイクを前に、その成果を尋ねてみた。
「最初の流れから追えばえらい大変だったけど、時間をかけた甲斐あってうまくいったなと。普段から乗れて、飛ばしたい時に飛ばせて。千里浜のレースにも出てるけどまったくの街乗り仕様。ストリートホットロッドですね」
HARLEY-DAVIDSON FL 1942 DETAIL WORK
WIND SHIELD
’40年代のハンソンスポーツウインドシールド。スピードランの時は下げて、ツーリング時は上に伸ばして使用。
HANDLE
クロッカー社出身のビグスビーが製作したと言うハンドル&ライザー。特殊構造のラバーマウント仕様となる。
GAS TANK
塗装は’40年のパターンを踏襲。ガスキャップは’30年代製を用い、エンブレムは戦前のスチールタイプを装着。
CARBURETOR
リンカートのマニホールドを使ったツインキャブ仕様。そこにオリジナル商品のベルエアファンネルが付く。
FENDER FLAP
フロントフェンダーのフラップ中央には、’39年製のサドルシートに付くワンイヤーの希少なジュエルを移植。
REAR FENDER
フェンダーはノーマルのナローブレスで、実用を兼ねて当時のレールをセット。両サイドのジュエルもストック。
BUILDER’S VOICE
HAMMER SYCLE
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