ハーレー ナックルヘッドチョッパーのショーカスタム FL 1941年

H-D FL 1941
REVOLT CUSTOM CYCLES

October 4th, 2022

頂点の先に見つめる
覚悟を決めた刃の理想郷

本場アメリカのチョッパーショーで認められた実力派である。世界の頂点に輝いた実績は伊達じゃなく、井上さんが織りなすトラディショナルなチョッパーは常にコアなファンに硬質な電流を与え続けている。その一瞬息が詰まるかの衝撃はこのナックルヘッドでも健在だ。

ハーレー ナックルヘッドチョッパーのショーカスタム FL 1941年

ほぼお任せだったと言うこの一台は、オーナーのダンディな雰囲気を加味していつもの『ウチらしさ』で仕上げたものだそうだ。特に全体的に品を持たせたかったため、そこにウエイトを置いてディテイルを作り込み、ガンメタのシックなカラーリングで大成された。

ハーレー ナックルヘッドチョッパーのショーカスタム FL 1941年

まず、フレームである。リボルトでは定常化したメッキ仕様だが、この場合メッキをかけるためパテは使われていない。つまり鉄のモールディングで均(なら)して成形しているわけだが、これがそう簡単な仕事ではない所を知っておきたい。ある一定の水準を超えた素養を持たなければ成しえないセクションである。

「得意とするアイアンアートじゃないけどそれを上手く表現したかったんです。で今回はロングフォークでもなくストックサイズぐらいの凝縮された車両だからこそ全部に手を入れて隙がないものにしたかったんですよね」

ハーレー ナックルヘッドチョッパーのショーカスタム FL 1941年

ツイストやリップル加工といった伝家の技芸はもちろん駆使されるが、今回は新たなオーナメントの手法を投下。例えばリアフェンダーの端に、形を合わせて曲げておいたツイストを溶接で整合。他にもブレーキやクラッチペダル、シフトレバーの端など至る部位を同じデザインで統一する。しかし、「一回手出してしまうとそれが大変な作業になるのは分かっているけど」と、それを苦労とはなんら思っていない笑顔から氏の物作りへの情熱を目撃する。

ハーレー ナックルヘッドチョッパーのショーカスタム FL 1941年

また、ジュラルミン製のクラッチカバーも初の試みで、これまで構想はあったもののずっと悩んでいた苦心作だ。車体左側のアクセントとして、また、安全面の観点からも今回初めてジョッキーシフトに乗るオーナーのこともあってジャストなタイミングで完遂。助走期間が長かった分、駆け抜けた時の感慨もひとしおである。

ハーレー ナックルヘッドチョッパーのショーカスタム FL 1941年

「新しい挑戦はしていきたい。まあ削ることとか造形は慣れたもんやし苦とも思わへんから(笑)。やっぱり物作るっていうことに関して、想像をしてそれが形になった時の喜びがありますから。まあやっていて楽しいんですけどね(笑)」

理想に向かって努力し、着実に結果を出している男特有の光がその目には宿っている。

HARLEY-DAVIDSON FL 1941 DETAIL WORK

ナックルヘッドチョッパーのFL 1941年のハンドル

HANDLE

リボルトの本気が炸裂した部位。真似できない物を作りたかったとのことで無垢材から削り倒して滑らかに造作。

ナックルヘッドチョッパーのFL 1941年のフロントフォーク

FRONT FORK

ネック角28.5度のオリジナルフレームに4インチオーバーフォークを装着。三つ又下リアレッグにリップル加工。

ナックルヘッドチョッパーのFL 1941年のガスタンク

GAS TANK

純正サイズに準じた骨格と均衡させたガスタンク。品を持たすことをテーマに掲げてエレガントな装いに塗装。

ナックルヘッドチョッパーのFL 1941年のプライマリーカバー

PRIMARY COVER

見た目と安全性を備えたクラッチカバーはジュラルミン製。シフトロッドやマフラーなど要所に加工が入る。

ナックルヘッドチョッパーのFL 1941年のマフラー

MUFFLER

マフラーにリップル加工を施しエンドに造作を付帯。フェンダーステーにも巧緻なリップルとツイストを登用。

ナックルヘッドチョッパーのFL 1941年のフェンダーチップ

FENDER TIP

新たな手法でフェンダーチップを装飾。エンドの形状に合わせツイストを曲げて溶接。同デザインを他所にも配す。

BUILDER’S VOICE

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