カワサキ エストレヤ 1998のカスタムチョッパー

KAWASAKI ESTRELLA 1998
GARAGE TAKA

November 22nd, 2016

ハンドメイドフレームと
二重構造のマフラー

オーナーの趣味嗜好が全面に現れたチョッパーである。ピンポイントでぴたりと貼られたジギーなステッカーに、スケボーのウィールを使ったステップ周り、タンクやシートの個性的なデザインなど、見るほどに乗り手のヤンチャな人物像を想像させる一台だ。

カワサキ エストレヤ 1998のカスタムチョッパー

「サイクルゾンビーズが好きなオーナーなんです。あとピーターパン症候群で、’80年代のゴーストバスターズとかの映画も好きだからタンクにはモンスタートゥースが入ったり。でもこのタンクはオーナーが自分でFRPで作ったものなんですよ」

カワサキ エストレヤ 1998のカスタムチョッパー

1998年のカワサキ・エストレヤをベースに製作したのは、埼玉県のガレージタカである。レース活動に熱心だった時代を経て旗揚げした代表飯野さんが掲げるモットーは、『峠で速いチョッパー』。どんな車種を扱う上でもそのコンセプトにブレはなく、当然このエストレヤにも独自のノウハウが注入されている。

そもそもはハードテイルの要望からスタートした今回のカスタムだが、当初オーナーは、いったいそれをどこに注文すれば良いのかが分からなかったそうだ。しかしそんな折に飯野さんとたまたま出会い、交流を深めていく中で、自然と製作へ移っていくことになったと言う。

カワサキ エストレヤ 1998のカスタムチョッパー

ノーマルの前後ホイール径は18/17インチ。それを21/16インチに変更し、それとバランスを取るためにフレームは作り直された。「ウチはもう是非フレームを作らせてくださいなんで」、と言う氏のもう一つのウリが、この合法的なフレームワークである。ネック部分だけを残して、後はすべてスチールパイプでリメイクされた。

「ホイールで全長が決まるから、あとは全体のバランスを見て車高を調整していく。でもエストレヤは何故かフレーム下側の左右の高さが違う。ノーマルでその状態だから結局全部作り直すしかないんです」

カワサキ エストレヤ 1998のカスタムチョッパー

そして、もうひとつの見せ場となるマフラーである。ヴィンテージのディンプルデザインがアイキャッチになるこの内部は、二重のパイプ構造になっているのだ。これは、45φのマフラーを250ccの車体にそのまま付けると、エキゾーストバルブ径が小さく十分な排圧がかからないためで、言ってみれば直管と同じ状態になってトルクが出なくなるのである。レース屋上がりの飯野さんがそれを良しとするはずもなく、内部を二重構造にしているのだ。

カワサキ エストレヤ 1998のカスタムチョッパー

「マフラーの容積はエンジンの大きさで決まっている。だからそこを無視して付けてもパワーなんか出るはずがない。ウチは絶対的にパワーの出るマフラーを付けてます。まあ言わなきゃ分からないシリーズですけど(笑)」

手間を惜しまずパワーを出す。すべては『速く走る』に帰結する、レース屋上がりのガレージビルダーである。

KAWASAKI ESTRELLA 1998 DETAIL WORK

カワサキ エストレヤ 1998のハンドル

HANDLE

このチョッパーとのバランスが絶妙なハンドルはなんと自転車用。自由な選択肢が完成度を高めている。

カワサキ エストレヤ 1998のガスタンク

GAS TANK

オーナーが製作したガスタンクはFRP製。ディープグレー地にモンスタートゥースのペイントが入る。

カワサキ エストレヤ 1998のフットステップ

FOOT STEP

スロッテッドが入るステップにはブレーキペダルならぬブレーキウィールを装着。ストリート仕様である。

カワサキ エストレヤ 1998のフットコントロール

FOOT CONTROL

フットコントロールはカカトでも操作出来るようにシーソーペダル化。チェーン部分がアクセントに効く。

カワサキ エストレヤ 1998のマフラー

MUFFLER

ヴィンテージのディンプルパイプではなく、内部の二重構造の方が見せ場となる。確実なパワーを発揮する。

カワサキ エストレヤ 1998のリアホイール

REAR WHEEL

17から16インチへリムを組み替えてホイールキャップを装着。ウインカーレンズ部はオーナーが手掛ける商品。

BUILDER’S VOICE

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