HARLEY-DAVIDSON PANHEAD 1948
HOTT!! MOTOR CYCLE
パンヘッドに呼ばれた
岡山に住む3児のママ
「キッカケはホットさんのブログを見た時に、たまたまこのパンヘッドが出てたんです。でまあ、その時は今の形じゃなかったんですけど、パンヘッドのチョッパーに乗ってみたいなーって。それで主人に電話してもらって見に来て、もう即決めました!」
岡山県からホット!! モーターサイクルのある三重県まで。そして、パンヘッド購入というなかなかヘビーな内容にも関わらず、淡々と、まるで近所へ買い物に出たかのカジュアルなトーンでいきさつを話してくれたのは、この車両の女性オーナーである。そう、このチョッパーを語る上では、車両の説明よりもまず、オーナーへ焦点を向ける必要がありそうだ。
3児のママである。しかも、家族全員ハーレー乗りの筋金入り。大きな子を持つ母親には見えない躍動的な印象とは裏腹なコメントに、軽いカウンターを喫した気分だ。しかし、まだそれだけでは終わらない。ナント、もう一台ロングフォークのアイアンチョッパーを所有するほどの熱狂者である。旦那の影響がもちろん大きいだろうが、それでも現行モデルではなく、『ド』が付くチョッパーの2本立てを嬉々と語るその姿を前に、なんとも言葉が見つからない。
そんなオーナーが即断したパンヘッドである。フレームとエンジンのヘッドが’48年式で、シリンダーと腰下が’51年式のベース車を使い、メカニックの谷地元さんと共に作業は進められた。
まずコンセプトに掲げたのは、『ぷりっとしたカワイイやつ』で、要所にオーナーがチョイスしたパーツを取り入れ、それに合わせて全体をバランスさせたそうだ。例えば、持ち込みのヴィンテージタンクに倣ってオイルタンクとリアフェンダーを同じグラフィックでペイントしたり、シッシーバーは当時の旅人気質な空気感をイメージして高めに製作するといった塩梅である。
他にも、スムージングしたショベル純正フォークにワンオフのフォークカバーを装着し、リアにナックル純正の18インチをセット。マフラーにショートサイズのフィッシュテールを合わせるなど、ヴィンテージハーレー屋として鳴らしたメソッドが自然なタッチで発揮されている。
そして納車してすぐに、オーナーの住む岡山から山形までの往復2500kmのロングツーリングに出たと言う。ケロっと話すその距離もだが、まだ多少の不備が出てもおかしくない乗り出してすぐの旧車という点が驚きだ。しかし、ノントラブルで完走。どうやらオーナーのみならず、パンヘッド側も望んだ出会いだったようである。
HARLEY-DAVIDSON PANHEAD 1948 DETAIL WORK
HANDLE
出所不明の元々付いていたと言うハンドル周り。女性でも操作しやすいようにハンドクラッチ仕様としている。
FRONT FORK
フォークはショベル純正タイプをスムージング。そこにワンオフのフォークカバーを装着。ライトはアリス製。
GAS TANK
オーナーが持ち込んだコフィンタンク。ほど良く年季の入ったブルーカラーに倣い同パターンで他の外装も塗装。
SEAT
ヴィンテージファンの琴線に触れる名品ベイツ製シート。長い年月を経て使い込まれた特有の風合いを晒す。
REAR WHEEL
かなり錆びていた物をリフレッシュ。ナックル用の18インチをセットしてスタイリッシュな印象を与えている。
SISSY BAR
高さのあるシッシーバーはワンオフで製作。中央に配されたボールがアクセントに効く。積載能力の高い部位だ。
BUILDER’S VOICE
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