HARLEY-DAVIDSON S&S SHOVELHEAD
BULL’S EYE
軽量化と流線形で導く
華麗なるスピード感
奇をてらうことなく、つうとシンプルにまとめられたブルズアイ製作の一台。これはコンプリートカスタムのRODEO MOTORCYCLEがベースで、『走る、曲がる、止まる』の3原則を前提に手掛けられたものだ。
そして、オーナーにとって初めてのハーレーにも関わらずジョッキーシフトを付けたいという要望だったため、コントロール周りは扱いやすさに配慮した設計となっている。まず跨った時のポジションだが、手を伸ばしたすぐそこにハンドルがあり、足を上げた無理のない位置にフットステップを用意。ノーマルに比べれば乗り難さのあるミッドハイのステップも可能な限り自然なポジションに収めている。次に、初心者にとっては難易度の高いジョッキーシフトだが、これもハンドシフトやロッカークラッチといった操作系を、腕と足に余裕を持たせた可動範囲内にすることでハードルを下げている。
ちなみに、このコントロール周りは常に苦心する箇所だと代表の尾羽さんは言う。「お客さんはひとりひとり身長や体格が違うので、それに合わせてその都度ワンオフで作るというのはやはり大変。扱いにくいものを渡すわけにはいきませんから」。
先に挙げた3原則プラス、『コンパクトで乗りやすく』を念頭に置いてメイクされたマシンは、ストックのS&S製1340ccエンジンに純正採用のCVキャブレターを装着。同店では通常、個性の強いS&S製キャブを用いるそうだが、今回はオーナーに合わせて低速から高速域までスムーズに吹け上がるCVを選択した。
では、外装に目を移そう。リジッドフレームにショベルモーターを懐に抱き、前後16インチ、74スプリンガーをセットした王道のスタイルである。そこにエッグタンクとフラットフェンダーをガンメタで塗装し、その上に昔から交流のあるピンストライパー、M&KカスタムサインのMAKOTOさんによるゴールドリーフがドロウ。黄金に光り輝く優美なラインがひと際大きなアクセントに効いている。
また、意匠を凝らした細部のディテイルも見逃せないポイントだ。例えばリアフェンダーのステーだが、ナンバープレートとステーをつなぐ部分にアーティスティックなオーナメントを配置。他にも、ベルトやチェーンガードに同様の造形を見ることが出来る。しかし、同店では全体に渡ってその手のスパイスを効かすのではなく、あくまでも数点のピンポイント投下である。これは、「どうすれば効果的に魅せることが出来るか」を知る、経験に裏付いたテクニックであろう。
「メーターステーやバッテリーボックスもワンオフで、ウチは強度的に問題のない所は素材にアルミを使うことが多い。やっぱりハーレーは重いからアルミを使った軽量化も念頭に置きますね」
すべてのカスタムで『スピード感』を大事にする同店は、素材の選択と流れるようなフォルムに極力近づけることでそれを演出する。
HARLEY-DAVIDSON S&S SHOVELHEAD DETAIL WORK
HANDLE
ほど良いワイズと高さを持つ市販のハンドルを装着。ワンオフでなくともルックス、操作性共に良好である。
GAS TANK
エッグタンクはガンメタに塗装。その後にM&KカスタムサインのMAKOTOさんによるゴールドリーフが入る。
ENGINE
ロデオの新品S&S製ショベルエンジン。排気量は1340ccでキャブは扱いやすさに定評あるCVをセット。
FOOT CONTROL
ロッカークラッチのフットコントロール周りにミッドハイのステップを装着。ベルトガードがポイントになる。
MUFFLER
低音の効いたサウンドを吐き出すマフラーはワンオフ。ミッドハイマウントのブラックカラーで攻撃性を増長。
REAR END
ワンポイントながら印象が強く残るステーのオーナメント。同店が得意とする繊細な作りの手法である。
BUILDER’S VOICE
BULL’S EYE
住所 | 愛知県額田郡幸田町大字深溝字茶屋畑3-5 |
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電話 | 0564-63-3508 |
FAX | 0564-63-3508 |
SHOP | BULL’S EYEのショップ紹介 |
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定休日 | 月曜日、火曜日 |