
TRIUMPH T140V 1976
SHALLOW MOTORCYCLE SHOP
メロディアスに絡む
二重唱のハイイナフ
肩ひじを張るわけでもなく、あんばい良くこしらえたT140Vだ。骨格や外装の大きな変更点はないものの、ちょっとした加減で雰囲気よく薫風(くんぷう)を運んで来ている。その様態は、店主浅井さんのしずやかな人柄と合致する。

経緯を尋ねると、以前お店で作ったバイクを気に入ってくれたオーナーが似たような感じのが欲しい、との要望からスタートしたカスタムだと言う。そこで、『シャロー』節はそのままに、ガスタンクの塗装やハンドルにアレンジを加えて組み立てていった。
前提として、あちこちを作り込むのではなく、やり過ぎないというのがテーマにある。将来的にハンドルやマフラーを気軽に交換して楽しめるような、ライトな感覚が根底に据えられた。

そのハンドルには一文字タイプを用いるが、形状が簡潔過ぎてこのままではマスターシリンダーがライザーに干渉してしまう。そこで苦肉の策で、マスターを設置するハンドル部に『逃げ』のオフセット加工をほどこし巧みに措置された。
ガスタンクは他車種からの流用で、そこに自らの手でクラック塗装。ちなみに、ペイントスキルについてはプロアマ問わずに外注依頼の絶えない人気を博している点も知られざるレパートリーだろう。

更に重ねると、そのガスタンクキャップ内のキャップチェーンやドッグボーンライザーはシャローのオリジナルブランド『TRADS(トラッズ)』製で、既にトライアンフ乗りには周知の存在だ。
このカスタムだけではない双方向的な動きに、いちカスタムショップとだけでは計れない芸達者な水脈がのぞいている。

一方、アイキャッチにもなる左出しとしたマフラーはワンメイクで、整然と均衡を保たずに、あえて全体の流れを汲んで露骨なテイストでマウント。そしてシートも違和感なく合わせられるが、表皮にはクロムエキセルレザーを採用。ここに来て一般的なレザーを嫌い、最高峰のオイルドレザーを素知らぬ顔で投入してきている。
「このスタイルはウチのオリジナルというほどのオリジナルでもないです。純正の良さを活かしつつ、ちょっとスッキリさせたみたいな感じですね」

大技はどこにもない。まるで自販機のボタンを押すかのような自然なパーツチョイスと、ピッチのゆるいツイストシッシーバーやハンドルなどの適正に手を入れたワンオフセクション。そしてトリを務める自社塗装。そのどれもが与えられた役目をまっとうすることで、飽きのこない一景を馳走(ちそう)している。
TRIUMPH T140V 1976 DETAIL WORK

HANDLE
TRADS製ドッグボーンライザーに一文字ハンドルを。マスターシリンダーの設置部には逃げ加工が施された。

FRONT WHEEL
19インチホイールとブレーキキャリパーは純正を使用。スタビライザーにはオールドスピード製を使用する。

GAS TANK
カスタムと並行して依頼の絶えないペイントジョブ。エイジングとクラック塗装を行い、全体のトーンに融和。

MUFFLER
45φパイプを使ったワンオフのミッドハイマフラー。2本を綺麗に揃えるのではなく若干の動きを付けて配備。

SEAT
オールドベイツタイプのシートを選択。表皮には最高峰のオイルドレザーのクロムエキセルレザーを用いている。

SISSY BAR
バイクとの調和を計りツイストのピッチをゆるく取ったシッシーバー。仕上げも無塗装で無骨なテイストを出す。
BUILDER’S VOICE
SHALLOW MOTORCYCLE SHOP
| 住所 | 愛知県名古屋市天白区井の森町179 |
|---|---|
| 電話 | 052-838-8198 |
| FAX | 052-838-8199 |
| SHOP | SHALLOW MOTORCYCLE SHOPのショップ紹介 |
| 営業時間 | 10:00 ~ 19:00 |
| 定休日 | 月曜日 |

H-D FX 1977
H-D FLH 1959























