H-D FLH 1979
ROGUERIES METAL WORK
掃射砲をかいくぐる
後光のハードコアプライド
もういやになるぐらい男っぷりがいい。裏表のないド直球な人柄は今に始まったわけじゃないが、プラスしての人間味というか温かみがまたこたえる。
先輩後輩関係なくぐるりと抱き込む器の大きさが齋さんの数ある魅力のひとつだが、チョッパーを触らせたらエリート街道まっしぐらの上質な殺法もシャレになってない。
実際のところ、宮城県の天下のフリスコスタイルをこれまで裏で支えてきた存在だというのは、あまり知られてこなかった事実だったりする。
15年来の付き合いになる後輩の求めに応じて製作したチョッパーである。テーマはずばり、『デカくてイカツイやつ』。本人の雰囲気に合わせて作ったものだと言うが、本当のところはガタイがデカいまでは正解だが、気のやさしいオーナーである。でもあえてそのギャップを狙ったんだと、齋さんは満面に笑顔を弾けさせた。
「バイクはおっかないけどオーナーの笑顔はちょっとかわいいみたいな(笑)。もうこの全体のカタチがそうですけど、ペイントだったりエンジンだったりいかつさが溢れ出るような感じすね(笑)」
さて、まず見る人が見たら違和感を覚えるフレームワークから見てみたい。使用してるのは純正レプリカフレームだが、なぜか威力抜群のパットケネディーズの復刻ロッカーカバーが上手く収まっている。この本来入るはずのない物が落ち着いてる理由は簡単で、既存のシルエットを崩さないよう細心の注意を払いつつメインチューブを切削して収納しているからだ。
しかもその切断箇所のパイプ同士のつなぎには中子と呼ばれる手法の無垢棒を入れて十分な強度も確保。この作業的に面倒くさいひと手間を加えるのは、同店が決して譲らない『バンバンに走るため』。ただそれが理由である。
他にも、エンジン下部をSパイプで取り周したマフラーや、何度もマウント位置を洗いなおしたガスタンク。ロッカーカバーに合わせてワンメイクしたキャブ下の集合オイルラインなど、時には同業プロショップもその腕を頼って訪れる手際が無尽蔵に肉迫。そして、円熟したとどめの深紅のフレイムスラインで昇天である。
「面倒くさいこともしますね。それがこだわりというか妥協したくないだけです。何に対しても妥協したくないです。全力です(笑)」
いちいち筋がいい。宮城県角田のちょっとした山懐を進んだ先には、心技をそなえた金城がそびえ、そこにはいつでも勝手に後光がさしている。
HARLEY-DAVIDSON FLH 1979 DETAIL WORK
HANDLE
ライザー一体のハンドルはワンオフ。左右のライザー間にアクセントになるサンダー型オーナメントを設置する。
FRONT FORK
スプリンガーは8インチオーバーのセンチュリー製。ダウンチューブにスリーマイルズ製オイルクーラーを配備。
GAS TANK
シンプルゆえ奥深い考察を擁するスポーツタンクをセット。ペイントは同店が得意とする深紅のフレイムスを。
ENGINE
コーンショベルのロッカーカバーに復刻パットケネディーズ製を装着。キャブ下オイルラインはワンオフで構築。
MUFFLER
フロント側はSパイプを駆使して軌道を創出。リアキャリパーはPM製を2機装備し、ひとつはフロントと連動。
TAIL LAMP
驚くことにレンズもワックスを削り自社で製作。角棒を用い頂部を曲げ折ったシッシーバーの造形も二枚目だ。
BUILDER’S VOICE
ROGUERIES METAL WORK
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