H-D XL1200S
LOCAL CYCLES
エボスポーツをベースに用いた
オールドチョッパーの最適解
エイティーズのカスタムカルチャーに情趣を感じ、自らの製作するマシンにもそのテイストを落とし込む手練のカスタムビルダー、『ローカルサイクルス』の永池さん。氏が最も得意とするスポーツスターをベースにした快活なブランニューマシンをここに紹介したい。
「『オールドスクールなリジッドのチョッパーに乗りたい』というのがオーナーさんの注文でした。他は完全に任せてもらったので、オーナーさんと相談しながらカッコいいオールドスクールチョッパーを目指しました」
まずは足周りを固めて外装のチョイスや位置を決めていくのが永池さんの流儀。細身のチョッパーを念頭に、フロント21/リア18インチというセットで決めた。
「(近代的な)エボスポなんだけど、らしくない古臭い感じにしたくて、リアはミッドスターハブにアイアンのドラムブレーキ、フロントもミニドラムにしました。フォークはショベル純正の35mmで、ボトムはスムージングしてより細く見えるようにしてます。ウチの定番ですね」
フォークは4インチオーバー。激しさを抑えた、乗りやすく、まとまりの良いチョッパーを目指したチョイスだ。
ちなみにベース車両は1200S。スポーツスターに明るい方ならご存知のように、このモデルはエンジン周りにマットなシルバーの塗装が施されている。これは前述の『古臭い感じ』から逸脱してしまうものだ。そこで氏は、その塗装をすべて剥離してポリッシュした。文字にすると簡単だが、その仕事は根気との戦いであることは言うまでもない。そういった尽力の跡も写真から注視して頂きたいところだ。
そんなエンジンから真っ直ぐに後ろへ走るマフラーも見所のひとつ。エンド部分はシンプルなショットガンのシルエットをたたえつつ、根元で一度ドロップされた特徴的な軌道のフロントパイプが遊び心を感じさせる。
艶やかな外装にも目を向けてみよう。ガスタンクはロートンネルのバナナタンク。オイルタンクはアイアンの純正を型取りしてワンオフ製作。そしてリアフェンダーはFX系のフロントフェンダーを加工して装着した。
それらを彩るピンクのリボンは、1970~80’sのアメ車のバンに描かれていたものを当時の写真から見つけ、それに着想を得てペインターにオーダーしたものだ。
「軽くてポジションもいいから乗りやすいし、1200だからめちゃめちゃ軽快に走ってくれますよ」とは永池さんの弁。まさに才色兼備、痛快なスポーツチョッパーがここに完成である。
(写真・文/マツモトカズオ)
HARLEY-DAVIDSON XL1200S DETAIL WORK
FRONT WHEEL
フロントは21インチ。ファイアストンを履く。スムージングされたボトムにミニドラムの組み合わせが絶妙。
HANDLE
ショベルのライザーに永池さんの古巣Nice!製No.9ハンドルバー。グリップもNice!製を選択している。
PAINT WORK
この美しいグラフィックを担当したのは、オーナーの幼馴染でもある熊本のペインター、Esteem Paint田中氏。
SPROCKET COVER
スプロケットカバーはアイアン時代を模してラウンド状に加工。こういった細やかな芸当が随所に溢れる一台。
SEAT
シートはReverb製のビンテージレプリカシート。テールランプは車用バックランプを加工、レンズを赤に塗装。
REAR BRAKE
リアブレーキはアイアン時代のドラム。セルオンリーのため大きめなバッテリーのマウント位置は苦心した部分。
BUILDER’S VOICE
LOCAL CYCLES
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SHOP | LOCAL CYCLESのショップ紹介 |
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定休日 | 第1・3火曜日 |