H-D EL 1940
GILD MONKEY CHOPPERS
切れ味容赦ない
底光りのタフネス
鹿児島の良心である。『ギルドモンキーチョッパーズ』がもし辞書に載っているとするなら、その説明にはきっとどこかに「男前」のフレーズが入ってくるはずだ。これまで辛酸をなめてきた叩き上げだからこそ相手の気持ちをおもんぱかることができ、人間的器も自然と大きく芽吹いてしまう。
是枝(これえだ)さんによれば、「盗んできたナックルヘッドを全部黒く塗りつぶした悪いチョッパー」がイメージだと言う。なんとも混じり気なしのどストレートな言い分だ。細かい説明は後にしてまずは見た目で勝負。そんな気概がこんな痛快な言葉からはちらつく。
「だいぶはまったと思います、オーナーのキャラも含めて(笑)。ナイフのシフトレバーとかもそうですけどなかなか元気のあるいいやつなんで。あと乗った姿勢も格好良くして欲しいとこだわってて、悪そうなバイクの雰囲気とばっちり合いましたね」
本人に合うベストなシルエットの作製が最優先だが、次に専心した部分は缶スプレーを使ったペイントだ。今でこそ高級車になってしまったナックルヘッドだが、ずっと過去をさかのぼればそれとは真逆の乗り物だったという事実に行き当たる。そこで氏は、どうしてもやりたかった缶スプレーを使ったチープな塗装をほどこし、その後表面を磨き込んでいくことで特有の艶を出している。
「少し磨いていくと良い艶が出てくる。なんで実はこれ、艶消しの黒で塗って全部研いでいるんです。あとはこのバイク錆び合わせも大変で、錆の具合を全部合わせていってるんですよ。マフラーも元々はパウコの新品ですから」
どのパーツも基本的には熱を入れ、オイルにぶち込んだり垂らしたりした後に、黒い焦げ付きやオイル染みを付けていったん放置。適度な風合いや錆びが出てきたところで初めて、組み付け作業に着手。一方、エイジングばかりでなく金属加工物も至芸が凝らされている。
例えば、フットペグのマウントステーは19mmの丸棒を削り出してわずかにエッジを立てて成形した物だ。またテールのナンバー灯はイチからワンメイクした一品で、フロントのKモデル用片ハブドラムなどは回り留めステーを下のボルトから取って手配した、地味ながら気の利いた箇所でもある。
このマッチョでダークネスな風体にはその野卑た雰囲気とはとても似つかない、作り手のハートウォームかつ、手厚いもてなしが抱き込まれている。そして、これがそんな乗り物だということを知っておいて損はない。
HARLEY-DAVIDSON EL 1940 DETAIL WORK
HANDLE
ドラッグバーとヴィンテージライザー。華奢なライザーはAEE製φ41ナロートリプルとの均衡を計っての物。
FRONT FORK
黒塗装後に研いで艶出ししたフォークはφ41純正ハイドラ用の6インチオーバー。ライトはガイド製S-H2。
GAS TANK
ハマータンクを用いタンクのエイジング塗装のみ外注に依頼。紫とブルーのフレイムスが透けたグラフィック。
SEAT
シートはゴーキーレザーとのコラボレーション。ワッセル製リブフェンダー上に渡したチェーンがアクセント。
FOOT CONTROL
ハイウェイペグステーは敢えてヴィンテージを使わず単一で製作。フットペグステーも同様にワンオフした物。
REAR END
2連ライトはガイドDH49でステーをワンオフ。’20年代風ナンバー灯も一品製作で、マフラーは新品をエイジング。
BUILDER’S VOICE
GILD MONKEY CHOPPERS
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FAX | 099-238-3066 |
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