H-D FXEF 1980
CLUB ZENITH
AメロからBメロへ
サビへとつなぐ自重の協奏
全国6位の人口を誇る千葉県で、30年の年輪を刻んできた老舗だ。これまで、移ろいゆくカスタム業界の流れを見聞ではなく体験として吸収し、そこで揉んできたノウハウを自社の作業に反映させている。それは、カスタムだけで終わらせない内燃機への配慮で、『クラブゼニス』の仕事はそこまでやって終了となる。
「最初に依頼を受けた時はいわゆるフリスコスタイルの、35ミリのフロントフォークに前後ホイールが21と16インチという話だったんですけど、その後もいろいろ考えられてたみたいなんですね」
打ち合わせを終えていざ作るという段階になって、リアを16ではなく18インチにし、フロントフォークはスプリンガーへ変更になったそうだ。もちろん乗り手第一主義を掲げる作り手の宇井(うい)さんがそれに反対することもなく、オーナーの目指す方向を向いて共に走り出した。
「ああそれも良いんじゃないですかって。このカスタムのポイントも18インチに換えたっていうその辺のセンスですかね。やはりぐっと細身になりましたんで、それはそれでカッコいいと思いますし。まあだいたいお客さんの方がセンスが良いですから(笑)」
お客さんの意見を汲み取って、そのサポートに回るのがゼニス流。だからこうしたフレーズが自然と発せられてしまう。『お客さんの方がセンスが良い』なんて笑ってのけることは、我の強いショップではなかなか見られない光景だ。
さて、先ほどの内燃機の話に入ろう。ひと通りの希望を聞いてそれに準じた最良のカタチを提供する宇井さんだが、カスタムといった『外面』とエンジン系の『内面』の双方共に納得した状態を構築して初めて、GOサインを出している。
「これはオートバイですから乗るにあたって調子よく、気分よく乗って頂きたいというのがあります。そこら辺はいつもしっかりやってるつもりです。古いバイクだからといって途中で止まったりすると不安で乗るのが嫌になってしまうと思うんで」
だから内燃機系は常に気を遣ってやっている。しかし時には、丹念に組み上げたにも関わらず見過ごせない症状が出てしまい、再度バラしてイチから組み直すこともあるそうだ。例えそれがはたから見れば軽微なものであっても、作り手本人の良しとする基準値を下回れば躊躇はしない。
「エンジンの調子は良いですよ、キックもすぐかかりますから」。こうした気さくなコメントの背景にはそれなりの結晶が脇を支えている。
HARLEY-DAVIDSON FXEF 1980 DETAIL WORK
HANDLE
ハンドル&ライザーはオーナーの希望する位置に設定してワンオフ。ガスタンクは2.4ガロンのスポーツタイプ。
FRONT FORK
当初35ミリのテレスコフォークの予定だったが、ネオファクトリー製のスプリンガーフォークに変更された。
ENGINE
今回はパーツの到着遅延同様に外注先も詰まっていて納車の遅れが難点だったと語る。が、その仕上がりは万全。
FOOT STEP
フットコントロール周りは同店では定例となるミッドコントロール仕様。製作済みのプレートを組合わせ製作。
MUFFLER
マフラーはシンプルなスラッシュカットタイプを選択。リアホイールに内部を加工したスターハブをセットする。
SISSY BAR
リアフェンダーはVツイン製で、シッシーバーは単一で造作。シンプルな形状にルーカステールライトを合わす。
BUILDER’S VOICE
CLUB ZENITH
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