バッドインクのフリスコスタイル ショベルヘッド FL 1980年

H-D FL 1980
BAD INC.

December 5th, 2022

混然一体と電光する
良縁のホワイトトラッシュ

今もなお、芯のあるファンに心酔されたカスタムスタイルの『フリスコスタイル』。サンフランシスコ発祥のこのスタイルに札幌の『バッドインク』は傾注するが、単にそれだけに留まらず、実際現地に足を運んで本物と交流を深めて来た実績がある。なので、同店のチョッパーはひと味違う。本質的なくだりを理解した上での一撃は、当然必殺に結びつく。

バッドインクのフリスコスタイル ショベルヘッド FL 1980年

「これはまずは軽量化で、あとは前面投影面積を小さくするのに本当にナローにしてます。エンジンの方もパワフルにして、ひらひらとすり抜け出来るようなイメージですね」

店主藤(ふじ)さんの話す軽量化や前面投影面積、パワフルといった各キーワードがカチッカチッとテトリスのようにはまっていき、理想とするシルエットは形成された。そしてまた、このチョッパーの主要箇所を構成するコンポーネントに触れないのもナンセンスだろう。

バッドインクのフリスコスタイル ショベルヘッド FL 1980年

最初に、フレームは’70年代のモーターショップ製である。スキモノにはたまらない響きを持つこのシングルクレードルのフレームを骨格にして、エンジンは’80年式モーターをベースにしたスペシャル権謀(けんぼう)だ。シリンダーヘッドにビレット削り出しのゾディアック製を投下し、ロッカーにはパットケネディーズ製を召喚するなど、水際立った先発陣だ。

バッドインクのフリスコスタイル ショベルヘッド FL 1980年

「このフレームは全体的にアールを使った構成ですよね。あとエンジンも面白いですし。個人的にはフリスコスタイルが一番好きなカタチですけど、これは何々スタイルというのにとらわれないような一台になった感じですね」

バッドインクのフリスコスタイル ショベルヘッド FL 1980年

そして、おもむろにこのチョッパーをころがす姿がまたピカつく。190cm近い体躯から踏み下ろされる迫力のキックスタートはほんの序章に過ぎず、そこから一気に風に乗って走る残像は、さながら気の利いたロードムービーのワンシーンに勝るとも劣らないものがある。

反骨を象徴したサーファーズヘルメットにダブルのライダースといった隙のない出で立ちと、膝のカチ上がったお決まりのライディングポジション。長身の店主が露出するそれは、悩ましいほど堂に入ったものだ。

バッドインクのフリスコスタイル ショベルヘッド FL 1980年

「軽量なフレームにハイパワーなエンジンというのが僕の中のホットロッドなんで、まあ自分の今までの集大成というか、そういう位置づけのマシンですね」。これまでドラッグレースにも参戦してきたスピードフリークと、その昔サンフランシスコで産まれた名機との一期一会。恵まれた体躯と混然一体となったその眺めは、時空を超える。

HARLEY-DAVIDSON FL 1980 DETAIL WORK

フリスコスタイルのショベルヘッド FL 1980年のガスタンク

GAS TANK

ガスタンクはスポーツスター用を幅詰めしたワンオフ。極タイトなハンドルに付けたミラーのマウントが個性。

フリスコスタイルのショベルヘッド FL 1980年のフロントフォーク

FRONT FORK

35ミリFXSローライダー純正フォークを8インチ延長。特徴的なヘッドライトは古いトラクターライトを流用。

フリスコスタイルのショベルヘッド FL 1980年のエンジン

ENGINE

ゾディアック製ビレットヘッドとパットケネディーズ製ロッカーのコンビ。圧縮比は『9』前後のハイコンプ仕様。

フリスコスタイルのショベルヘッド FL 1980年のフットコントロール

FOOT CONTROL

フットコントロールは単一で製作。プリモ製2インチオープンには店にあった加工済みダービーカバーを装着。

フリスコスタイルのショベルヘッド FL 1980年のマフラー

MUFFLER

快活に弾けたサウンドを奏でるショートパイプはワンオフで、オイルタンクはメーカー不明の年代物をセット。

フリスコスタイルのショベルヘッド FL 1980年のリアエンド

REAR END

モーターショップ製固有のアールを根調としたフレームライン。キャリパーはウィルウッド製をチョイス。

BUILDER’S VOICE

BAD INC.

住所 札幌市北区新琴似7条16丁目5-17
電話 011-215-8869
FAX 011-215-8869
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