H-D FX 1974
RED KONG WORKS
一番星に託した
まぶしい紅蓮の万彩
淡々と、落ち着いた雰囲気の主人だ。また、すっくと芯のある風体は隣のお兄ちゃん的な頼りがいもあり、きっとそれが近辺のバイク乗りに慕われるゆえんだろう。その柳沢さんが作製したのは’74年式FXである。
「まずこの色に塗りたかったのと、ちっちゃいバイクにしたかったんです。あとは乗りやすくというので作りましたね」
一番最初の起点は、店内に33.4φのこのフロントフォークがあったことから始まる。そのフォークをそろそろ使いたいと考えていたところに、FLの中古車とめぐり合い、それを業者から購入してすみやかにスキームは動き出した。
まずはハンドルからである。海外のバイク乗りがよくやる背中を丸めた前かがみのポジションをイメージして、同様にタイトな形状で製作。そしてフォークは33.4φのスタンダード長ながらネック角を3度ほど立ち上げている。
「こう前傾になるハンドルで乗ってみたかったんです。それとネック角立ててるのは全体を小さくしたかったのと、取り回しも旋回性も良くしたかったからですかね」。あとはエンストしてもすぐ端に寄せられるようにするためだと、愛嬌たっぷりの笑顔で追伸する。
他はリアフェンダーにリブタイプを使い、フェンダーステーを留めるボルトはリベット風に見えるようステンレスボルトを削って溶接。そして、特徴的なカラーリング面積を広げるために設置したベルトとチェーンガードはコロナ禍で待機していた柳沢さんの息子が初めて氏の仕事を手伝った箇所だ。
そこは、スチールのフラットバーを切り出しただけだと言うが、作業量うんぬんではなく父親の仕事を手伝ったというただそれだけでもう胸いっぱいのストーリーである。世の父親で、息子のそんな姿に響かない人なんているはずはない。
「特徴といえば色ぐらいなんで(笑)。黒いバイクだと目立たないですよね。色と乗り味が良いです。乗ってて楽しいなって。楽しく乗れるのが一番ですね」
色味のインパクトは確かに強い。が、マフラーにありがちな形状ではなくサンダーヘッダーをもってくるあたりに識者の気配がビンビンする。しかもエキパイの取り回しはビューエルに倣い、後方はバンク角を確保するためカチ上げられた。
更に言えば、車高も敢えて落とさず、タイヤも古っぽいルックスの割にグリップ力のあるAVONマークⅡを選択。ここには、氏の言うカラーリングだけでは決して片付けられない、現場で吸い上げられた核心的な酸味が詰まっている。
HARLEY-DAVIDSON FX 1974 DETAIL WORK
HANDLE
海外のバイク乗りのライディングポジションをイメージして作製。前かがみになるようタイトに配備される。
FRONT FORK
この確保していた33.4φのフロントフォークありきでカスタムを開始。スタンダードなストックサイズ。
GAS TANK
ガスタンクはスポーツスターのナロータイプを選択。ブラックと鮮やかなピンクのカラーリングがポイント。
BELT GUARD
当初ガードを付ける予定はなかったが塗装面積を増やすため設置。初めて息子が手伝った箇所だそうだ。
MUFFLER
この種のチョッパーでは珍しい吟選のショップネーム入りサンダーヘッダー。後方はわずかにカチ上げられた。
REAR FENDER
リブフェンダーはリベット風ステンレスボルトでステーと接合。チェーンガードにも紅蓮のペイントが入る。
BUILDER’S VOICE
RED KONG WORKS
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