H-D FXE 1979
MOTORI GARAGE
揃って発動する
本能の全額ベット
黒光りのワイルドサイド。例えば、方言を耳にして出身地を想像するのと同じく、バイクを眺めてその出所が推測できる一本気なチョッパースタイルだ。全国津々浦々、この手のバイクが襟を正して居並ぶ土地といえばやはり、その筆頭は宮城県の仙台だろう。
杜の都仙台で、20年以上に渡って連綿と受け継がれるチョッパースタイル。今回のモトリガレージの新作は、その不動のシルエットからなるショベルヘッドである。そしてことの発端は、店頭に並べていたごく一般的な車両から始まっていると店主の鳥居さんは言う。
「本当に普通のショベルヘッドでしたね。元々来てくれてたお客さんがそれを買ってくれて、そこから火がついていった感じです」
お客さんが想像している好みのバイクを夢想しながらディスカッションを重ね、そこに同店がこれまで培ってきた黄金比をプラス。こうしたら恰好良いんじゃないか。こうすれば乗りやすくなるのではと擦り合わせていく手法は、心理学者のように人の気持ちを組みあげることの確かな鳥居さんならではのものだ。
どの角度から見ても筋肉が隆起したかの雄々しい雰囲気を漂わす一台は、まずフロントフォークを6インチ延長。定番のナローではないワイドなトリプルツリーの幅に合わせてエイプハンガーがセットされた。
そしてガスタンクにスポーツスタータイプを選び、マフラーとシッシーバーも伝統的チョッパースタイルに倣い下手に色気を出さずシンプルにワンオフ。極めつきは、シートのアンコ部分をジミードープが手掛け、表皮をティスカスタムレザーズが担当したスペシャルなフリンジシートである。
「大柄な車体ですけどシート形状だったりトリプルツリーのレイク角を調整して乗りやすいようには意識してます。あとはやっぱりこの強そうなスタイルですよね(笑)。お客さんが望んでたのも仙台っぽいチョッパーでしたから」
変幻自在である。『チョッパー』という根幹をブラさずに、十人十色のお客さんの声に寄り添い演出する華やぎと安定感は相当のもの。そんなスタイルに縛られることのない鳥居さんの本能は常に「ひるまず行け」と告げている。
札も揃っている。チップもたっぷりある。いろんな条件がぴったりと合っている。この機会を逃したら、あとあと後悔することになるかもしれない。だからモトリガレージは、その一瞬一瞬を見逃さず、どんな時にも最良の方法でカスタムを炸裂させている。
HARLEY-DAVIDSON FXE 1979 DETAIL WORK
HANDLE
フォーク幅に合った汎用のエイプハンガーを選択。ライザーはミスミエンジニアリング製の真鍮ドッグボーン。
FRONT FORK
フォークはEVOソフテイル用で6インチ延長される。フレームダウンチューブ左にオイルクーラーをマウント。
ENGINE
完調に鼓動するストック1200ccのショベルエンジンに、チョッパースタイル定番のS&Sエアカバーを装着。
SEAT
シートのアンコ部分をジミードープが製作し、表皮をティスカスタムレザーズが受け持った単一フリンジシート。
MUFFLER
オーナーと長さを吟味したスラッシュカットマフラー。リアのキャストホイールにはGMAキャリパーが付く。
REAR END
6インチフラットフェンダーを5.5インチぐらいに詰めてセット。ワンオフのシッシーバーはブラックアウト。
BUILDER’S VOICE
MOTORI GARAGE
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