YAMAHA SR400 1994
FONK MOTORCYCLE
潜在の灯がともる
ストリートの聖堂
弾性に富んだ気鋭のショップとして、神戸の街に根を下したカスタムバイクを手掛ける『フォンクモーターサイクル』。10代から20代のお客さんも多く出入りする同店には、気負うことなく、さらりと日常の足に使えるストリートバイクが立ち並んでいる。
店主の淡路(あわじ)さんのスタンスとして、特別用がなくても遊びに来て欲しいというオープンな姿勢があり、その人柄を慕ったバイク乗りが日々訪れることで、高架下にあるコミュニティにはひと際賑やかな光が散り渡っている。
「60年代70年代ぐらいのトライアンフのユニットモデル。言うたらサス付きのチョッパーみたいな雰囲気で作ってます。僕がオーナーに、『こんな感じどう?』って打診して、それを気に入って貰った感じですね」
まだ20代前半のオーナーのファーストバイクとなったこのSR400は、普段の足に。そして、スケーターでもある彼がシッシーバーにスケボーを巻き付けていつでもハングアウト出来るように。バイク単体ではなく人がまたがって初めて完結する、日常に溶け込むスタイルを狙って製作したものだそうだ。
乗りやすさと見た目の両立をテーマに、まずフォークは純正を4インチ延長。ガスタンクはハーレー用のスポーツタンクをベースに手を加え、リアフェンダーにも同じくハーレーのアイアン用を選択。そして最も気を使った箇所のリア周りはループフレームに加工された。
「個人的にサス付きのチョッパーを作るのは難しいと思うんですけど、やっぱりループフレーム付近のバランスを取るのが大変というか、そこを上げ過ぎても変やし、下げ過ぎても格好悪い。その辺の兼ね合いですよね」
いっそのことサスを外してリジッドバーにしてしまえば上手く落ち着くが、それでは肝心の乗り心地を損なってしまう。オーナーにとってファーストバイクだからこそスケートにも決して劣らないバイク本来の旨味を知ってもらいたい。氏はやって来る若いお客さんに対して、如才なくその本質を伝えている。
一方、差し色に使ったパーツもキレのある演出だ。黄色のスエードシートと同系色のマーブルグリップといったわずか2つに絞ったセクションがことのほかアクセントに効き、乗り手のエッジーな個性にぴたりと呼応している。
「オーナーに合わせた色使いが自分らしさというか。あとは作る時はいつもそうですけど、全体のまとまりという部分は常に大事にしています。そこは凄い気を使ってやりましたね」
YAMAHA SR400 1994 DETAIL WORK
HANDLE
ロボハンはワンオフで、そこにナイス!MC製マーブルグリップをセット。派手な色味をワンポイントに添える。
FRONT FORK
フォークは純正を約4インチほどエクステンド。ヘッドライトには日本製のスクエア型フォグライトを装着。
GAS TANK
ハーレーの汎用スポーツスタータンクを加工。中央で詰めて成形。タンク上のグラフィックがポイントになる。
REAR SHOCK
サスはストック長とし、ループフレームの作りを何度も吟味。リアフェンダーとのバランスに苦慮したと言う。
MUFFLER
マフラーはシンプルなドラッグパイプで製作。車体の長さに合わせて調整し、ブラックアウトで締まった印象に。
SISSY BAR
スケボーを巻けるように角棒でシッシーバーを作り、シートには黒との相性が良い黄色のスエード地を選択。
BUILDER’S VOICE
FONK MOTORCYCLE
住所 | 兵庫県神戸市兵庫区永沢町2丁目6 高架下52号 |
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電話 | 078-955-9825 |
FAX | 078-336-3326 |
SHOP | FONK MOTORCYCLEのショップ紹介 |
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定休日 | 木曜日 |