H-D FL 1974
CLUB ZENITH
水準を満たす
蓄積された境界線
千葉県内の指折りの古豪として辣腕(らつわん)をふるい続けている。創業1991年から培ってきた信頼により、これまで数多くのユーザーのバイクライフに鮮やかな華を添えてきた。今回の一台もまた、新たなオーナーの私的な時間に彩りが増すように、とくと細やかな配慮が行き届いている。
リジッドフレームに74スプリンガーフォークを装着。前後に16インチホイールを合わせ、外装にはピーナッツタンクとリブ付きフラットフェンダーをセット。そして塗装はブラック単色でまとめた、胸がすくかの雑味のないオールドスクール・チョッパーである。
「参考画像がありましたので、具体的な形まで決まってました。その中で、このハンドルの角度や長さはこれぐらいにしましょうとか細かい部分を煮詰めていった感じですね」
そしてポイントは、派手にしなかった点だと言う。オーナーとディスカッションを重ねるなかあまり奇抜な要望がなかったため、それではと、目立たせることなく使い勝手も良いという部分に注力して作業は進められた。
「あとは、やはりハーレーといっても日本人が日本で乗るオートバイですからそこは気を付けて組んでいます。ですからまたがった時のポジションですよね。あまりにも窮屈過ぎるバイクだと乗っていてもストレスになりますから」
大きな所で言えばハンドルである。数種類用意した中からそのいずれかを選ぶのではなく、角度や長さ、垂れ角といったことまで全てを相談の上で設計。またがった時のベストな位置を探り出して作った一品物だと言う。こうしたパーツひとつ取っても、同店でのオーナー主導のカスタムのあり方が現れている。
「手こずった箇所ですか? それは正直SUキャブですね。いま新品が手に入らないんで中古を手配したんですけどそれがいけなかった。どうやら再メッキされた物で、メッキのはく離した欠片がベントの中に潜んでいたみたいでなかなか調子が取れなかったんです」
その状態だとウチの合格ラインにはならないため納車は出来ない。結果お客さんに待ってもらい解決したと話すそのワンフレーズが、どしりと印象に残っている。
「ウチの合格ラインにはならない」。何の気なしに発したはずのその言葉はしかし、ある一定の自負を持ったショップでなければ決して語彙(ごい)に持つフレーズではない。そこからは普段表には出さない、ユーザーの特別な時間に身を入れた古豪の心意気が覗く。
HARLEY-DAVIDSON FL 1974 DETAIL WORK
HANDLE
ハンドルはオーナーにまたがってもらい角度や長さ、垂れ角などを調整。仮付けしながらベストな位置で完遂。
FRONT FORK
フロントにはネオファクトリー製74スプリンガーフォークを装着。ヘッドライトは汎用の4.5インチを選択。
FOOT STEP
要所にあしらわれたワンポイントのブラスパーツ。ステップ&ペグにはブラスボールサイクルズ製を用いる。
REAR FENDER
リブ付きフラットフェンダーにソロシートを合わす。オールドスクール・チョッパーの普遍的セットアップ。
MUFFLER
鉄製マフラーはワンオフで製作。シンプルながら控え目に主張するショートサイズのターンアウトタイプ。
REAR END
フロント同様、16インチホイールにホワイトリボンタイヤの組み合せ。フェンダーステーは丸棒を使い製作。
BUILDER’S VOICE
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