ハーレーダビッドソンのショベルフリスコチョッパー 1972

H-D SHOVELHEAD 1972
Janus Mind

January 5th, 2020

4本出しの啓示と
クセモノどもの夢の跡

ナローでスタイリッシュ。ドイツが世界に誇るポルシェカラーで身を包んだマシンは、群馬のきらぼし、『ジェーナスマインド』による一台。今にも軽快に走り出しそうなストリートテイストにそそられる。

「まあお客さんがツースロートキャブとマグネトー点火を使いたいというところからですね。そこにたまたま生まれ年のエンジンが見付かってスタートしました」

ハーレーダビッドソンのショベルフリスコチョッパー 1972

エンジンは約1480ccのストローカー仕様。排気量が大きい分それを使いきれるように5速ミッションをセットし、外装に関してはオーナーの好みを聞いた上で店主の福田さんがアレンジを加えた。

「ハイポジションのスーサイドクラッチで、あとマフラーは本当に自由に作らせてもらった。4本出しという形なんですけど、最初からこれを作ろうと思ったわけじゃなく、こう合わせていく内にこうしたら面白いんじゃないかって」

ハーレーダビッドソンのショベルフリスコチョッパー 1972

きっとパッと見では取り回しがトリッキー過ぎて理解に苦しむだろう。要は、右側3本/左側1本の排気口が用意され、更にそれぞれを追えば、まずフロントエキゾーストは1本から左右に2本へと枝分かれさせ配置。

かたやリアエキゾーストも2本に枝分かれさせるが、そのまま単純に出した1本に反してもう1本はぐるりと左側を回り込んで右下へセット。こうした全体のバランスを崩すことない『魅せる』を強く意識したデザインは同店の真骨頂。遊び心を忘れない大人のたしなみだ。

ハーレーダビッドソンのショベルフリスコチョッパー 1972

そしてスーサイドクラッチのリスクも、実際はリアブレーキを2連で装着することでカバーする。つまりフロントブレーキレスの外観は変わらず、左グリップをひねると新たにミッション下に配したブレーキマスターに連動してブレーキが機能。一方、既存のリアブレーキは右足で踏み込むいつもの作りという寸法だ。

ハーレーダビッドソンのショベルフリスコチョッパー 1972

パーツチョイスや装着位置までオーナーと相談して進めていったカスタムは、エクステリアだけでなくエンジン周りも好みのメニューで固められた。しかもそれは、ストローカーエンジンとツースロートキャブ、マグネトー点火といったクセモノ揃いの組み合わせ。が、氏にしてみれば、そこは大した問題にはならないようだ。

ハーレーダビッドソンのショベルフリスコチョッパー 1972

「まあ確かにツースロートとマグネトーってかかんないと嫌がられるところなんでしょうけど、かかっちゃえば凄い面白いですね。全然難しいことはないですよ。楽しいなあみたいな(笑)」

HARLEY-DAVIDSON SHOVELHEAD 1972 DETAIL WORK

ショベルヘッドフリスコチョッパー 1972のハンドル

HANDLE

ワンオフのクリーンなハンドル周り。スロットル/ブレーキワイヤーはインナースロットル化で中通しされる。

ショベルヘッドフリスコチョッパー 1972のフロントフォーク

FRONT FORK

ナローな35φのテレスコフォーク。ブレーキレスとしたフロント周りに23インチホイールの存在感が浮き立つ。

ショベルヘッドフリスコチョッパー 1972のエンジン

ENGINE

ストローカーエンジンに、オーナーの要望だったツースロートキャブとマグネトーを設置。始動性は至って良好。

ショベルヘッドフリスコチョッパー 1972のフットコントロール

FOOT CONTROL

オープンベルト内を介してハイマウントとしたフットコントロール。集約したスイッチ類はシート下に配備。

ショベルヘッドフリスコチョッパー 1972のマフラー

MUFFLER

複雑にからみ合うパイプは右3本、左1本出しのデザイン。フロント、リアエキゾースト共に2本に枝分かれ。

ショベルヘッドフリスコチョッパー 1972のリアブレーキ

REAR BRAKE

キャリパーを2連で装着。ひとつはフロントブレーキの代用として機能。もう一つは通常のリア用となっている。

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