H-D FX 1977 “Speed Addict 3”
INDIAN ORANGE MOTORCYCLE
数多のレース経験が反映された
その名に恥じぬスピード狂仕様
【addict(アディクト)- 中毒、常用、依存症。転じて、熱中する人、大ファンを指す名詞】
スピード・アディクト。要するにスピード中毒。この病に侵されたカスタムビルダーがいる。インディアンオレンジ・小田浩司。自らが駆るナックルヘッドでドラッグレースに挑み、2年前にはまた別のナックルでボンネビルを走った。その2台に冠された名こそ『スピード・アディクト』である。そして今回小田が製作したマシンにも、『Speed Addict 3』の名が与えられた。
重心低く構えたレーシーな雰囲気はまさに、小田がボンネビルを駆けたランドスピード・レーサーを彷彿とさせる。それを問うと「まぁ、その辺は手グセが出るんでしょうね」、と笑った。
4速フレームはデュオグライド風にシートレールを下げた。ホイールサイズはフロント21/リア18インチのセットアップで鈍重さを感じさせない軽快な雰囲気を保つ。フロントエンドはストックのフォークに大神戸共榮圏のナロートリプルのセットアップでスキニーにまとめている。
またフロントには特徴的なFORK製のエンデューロフェイスをまとう。「カウルが欲しいとは思ったんだけど、そこはカフェっぽいのじゃなくてあえてオフに振ってみたら面白いんじゃないかなと」。その目論見は的中。他に例を見ない面貌を形成している。
エンデューロフェイスからタンクにかけてはスピード、油圧、タコの3つのメーターが配されるが、このバランスも軽妙。タコメーターは渡米時に見かけたSpeedhut製メーターをアメ車のイメージでオーダー。タンクに埋め込まれひょこっと顔を出す姿に愛嬌を感じる。タンク下にはスターターボタンが配されるが、これはNASCARなどで使われるスイッチを使用。
テールカウルもレーシーなフォルムを描く。面白いのはイグニッション・スイッチをこの上面に配している点だ。それをマウントするステーは前述したタコメーターのステーと同じく、シャープながら流麗。そしてこの手のメタルワークは小田の十八番である。
リア周りに見るもう一つの特色はダンパーだ。使用するリアサスのバネの遊びを抑えたかったために採用したと言う。インパクトのある見た目のみならず、ダイヤル式で硬さをアジャストできる機能面が最大のポイントだ。
Speed Addictを名乗る以上、名に恥じぬマシンに仕上げたい。その意志を全体、そして細部から感じさせる一台。ストリートを駆ける日は、間もなく訪れる。
(写真・文/マツモトカズオ)
HARLEY-DAVIDSON FX 1977 “Speed Addict 3” DETAIL WORK
FRONT COWL
FORK製ENDURO FACEに『耳』を付ける加工を施した。それに併せてフォークガードもアルミで製作。
HANDLE
ライザーを下向きにマウントしたセパハン。上部のブレスで補強。サイズ感良好なタンクは3.5ガロンを加工。
ENGINE
エンジンはカムとピストンを交換。キャブはS&SのBで、エアクリにはラムエアを狙ったインテークを付帯。
OPEN PRIMARY
2インチのオープンプライマリー。間にオイルフィルターを配す。セル、クラッチ共にBDL。ステップはベイツ。
MUFFLER
セラコートで仕上げられたタコ足風のレーシーな取り回しのパイプ。リアサスはNICE! MCの1インチサス。
SPROCKET
スプロケットはF24-R49をセット。高速域に振りつつ低速でギクシャクしない小田の勧める最適なギア比。
BUILDER’S VOICE
INDIAN ORANGE MOTORCYCLE
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