HONDA CB750C 1982
A BEARD
CBにのせた
親父からの祝辞
相変わらずオリジナリティに富んだバイクだ。時代の流れに身を任せた右へ倣え的なカスタムではなく、いきなりうっそうと茂ったジャングルに嬉々として跳び込むような、我が道をゆく一台。だから見てる側も、ビアードの新作にはいつだってワクワクしてしまう。
さて、まずテーマを押さえたい。これは、代表上田さんの息子さんのバイクである。もっといえば、息子が大学に入学したお祝いで用意した’82年式のCB750Cだ。
「なにか作ってやろうと思ってたところに、店にたまたま『C』が入ってきた。僕自身CB750は子供の頃から好きなバイクだったし、後ろタイヤが16インチのコムスターホイールでいま流行りのサイズというのもあって、これはカスタム出来るなと」
最初からベース車を決めていたのではなく、下取りで入ってきた16インチの部分に食指が動き、カスタムはスタートした。
「特別息子の好きなものをイメージしたりはしてないです。作るときは僕の思いで作るんで。カタチも最初から決まってはなくて、タンクはこれにしようかなシートはこれにしようかなというので進めました」
そしてこのバイクのポイントは、初めてアルミを素材に使った点だと言う。同店では、これまで鉄でのみ外装を作ってきたが、今回は鈑金経験のないアルミでフロントマスクとシートカウルを製作。時には膝を使ってグイーッと手曲げするなど試行錯誤しながら仕上げたセクションだ。
「アルミにバフ掛けした雰囲気のバイクを作りたかったんです。もちろん大変だったけど達成感はありましたね。やっぱり一日で溶接済ませれば良いんですけど何日か掛かるものだから、こっちで酸化してアルミが弾いたりとか、そこをまた切ってやり直したりとか」
結構時間がかかったと振り返る氏の表情は、いつにも増して楽し気だ。また、フロントマスクは現在の縦目タイプの他に横目タイプも作り、どちらが良いかを自分のフェイスブックで募集したなんていうエピソードもある。
「ホットロッドカスタムショーは縦で、ジョインツは横バージョンで出展してます(笑)。でも縦の方がカッコいいとなって今はそうしてる」
カスタムする過程の、ちょっとしたところがいちいち楽しそうである。バイクと本気で向き合いながらも、自分を取り巻くすべての人を巻き込んで一緒になって盛り上がってしまう。同店のカスタム全般に言えることだが、『元気でポップ』なテイストは、そんな氏の伸びやかな人柄から来ているのだろう。
HONDA CB750C 1982 DETAIL WORK
FRONT FORK
フォークは純正で、フロントカウルは初めてアルミでトライしたワンオフ。この他に横目バージョンも製作した。
GAS TANK
タンクは鉄のワンオフ。中央には息子の名前が入り、その下に上田さんの名前『23』が語呂合わせで入る。
SEAT COWL
フロントに続きシートカウルもアルミで製作。慣れない作業で時間はかかったがその分達成感があったと言う。
SWITCH
スイッチは一か所に集約。電装系の作業は得意分野で手際よく処理。カバーの塗装がビアード特有のポップさだ。
FOOT CONTROL
マスターの位置に苦労の跡が覗くが丁寧なフィニッシュで違和感なくまとめる。ステップ周りもワンオフ。
REAR WHEEL
カスタムの起点になったホイールは純正16インチのコムスター。ナンバープレートはサイドマウントとされた。
BUILDER’S VOICE
A BEARD
住所 | 広島県廿日市市住吉1-2-55 |
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電話 | 0829-32-5644 |
FAX | 0829-32-5144 |
SHOP | A BEARDのショップ紹介 |
営業時間 | 10:00 ~ 19:00 |
定休日 | 第1、3火曜日 |