HONDA CB400 SUPER FOUR 2006
2%ER
欧州ルールとの
青春ファイティング
チョッパーからカフェスタイルまで、どんなカスタムも歴史的背景をビッと押さえた上でメイクするショップである。この先人への敬意を忘れることないバックグラウンドを軸にしたクリエイトが、ツーパーセンターの真骨頂。
「カフェレーサーなんだけど、もっと言うと『ブラットカフェ』と呼ばれるスタイルです。2010年代に入ってドイツとかイギリスで主流になってきたカスタムで、上半身を水平基調で作るスタイルがキテるんですよ」
既存のカフェレーサーの進化版である。チョッパーもニュースクールやオールドスクールといったスタイルが出てきたように、カフェも時代と共に変化し続けていると店主の山口さんは説明する。
「水平でスマートに見えるように意識して作った。フレームのサブフレームはタンクの後ろから全部やってます。だからこのバイクの特徴は外装の直線感でしょうね」
アウトラインはブラットカフェ。しかし、そのまま王道に倣ったスタイルでは終わらせない。本来なら外装はメッキやアルミパーツできらびやかにまとめるのだが、氏が選択したのは対極的なダークトーンのマットグレーである。
「これは’90年代とかに、言ったらナチヘルかぶってたようなセパハン乗り(笑)。まああこらの人でも共感してくれるだろうなっていうバイクです。シルバー系のキレイな外装が主流ですけど、僕は僕なりにトーンを抑えて、でも下品にはならないように作りました」
王道に寄せることなく、『ナチヘルとセパハン』という往年のバイク乗りの青春を飾った甘美なキーワードを放り込んでくるあたりが素敵だ。また、例え海外で人気のスタイルを持ち込んでも、一度口の中でかみ砕いてみて、どんなに少量だとしても納得したものだけを飲み込むのが物作り大国、日本の品位の高さでもある。
そして、その品位は更なる展開を見せる。これまで一般的に、ブラットカフェのベース車は新型のトライアンフなどが多かったと言う。が、そこを外してこのCB400スーパーフォア。なるほど、きっと同店では馴染みの車両だからだろうと尋ねると。「いや、CBはウチでは初めてやる車両でした」、との返答。たまたまお客さんが持ち込んだ車両がこれで、カフェレーサーを希望したことから具現化したバイクだそうだ。
何にも迎合せず、わずかな要素をものにする。欧州車がベースでも外装がまばゆいわけでもないカスタムにこそ、店主のファイティングポーズが躍動する。
HONDA CB400 SUPER FOUR 2006 DETAIL WORK
HANDLE
カフェスタイルにマストのセパハン。店主山口さんの古巣チャックボックス製でスピードフォルムを入手する。
FRONT FORK
フォーク、ホイールは純正をそのまま使用。汎用ヘッドライトはサイドマウントのワンオフステーで支持。
FRONT WHEEL
意外とあっさりしたカスタムですよ、と話す通りストックの旨味をそのまま引き継ぐ。キャリパーはニッシン製。
GAS TANK
左右対称を取りやすいことから最初は型紙を使ってベースを用意。その後に鉄板7枚をつないでワンオフ。
SEAT COWL
オリジナリティの高いシートカウルもタンク同様にワンオフ。4枚の鉄板を展開で作り、つないで成形した。
REAR END
剛性の高い純正スイングアームはそのまま採用。ショックは2cmダウンの汎用品を装着して水平ラインを確保。
BUILDER’S VOICE
2%ER
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