ハーレー フルスクラッチカスタム エボリューションSPCN

HARLEY-DAVIDSON EVOLUTION SPCN
MOTOSHOP TONOUCHI

July 16th, 2018

リミットに達する
秒読みのクリエイティブ

フレームの下にタンクをマウントした特異なフォルムである。これまでも、この手法を用いたカスタムは各ビルダーの手で製作されてきたが、ここまでバランスの取れた一台は珍しい。タンク位置だけにポイントを置いた色もの的要素の強かったスタイルを、にくいほどスタイリッシュなマシンに仕留めている。

ハーレー フルスクラッチカスタム エボリューションSPCN

『モトショップトノウチ』というやさしい屋号の響きとは裏腹に、フィニッシュしたカスタムは壮絶。全方位を眺めて思うのは、作り手の、決して表には見せない並ならない熱狂だ。

「見せ場は、やっぱりメインのフレームラインですかね。ここが高すぎても雰囲気が違ってしまうし、逆にグースネックみたいにしてもおかしいし。良いところで抑えるのが大変でした」

ハーレー フルスクラッチカスタム エボリューションSPCN

専用ジグを用意して取り掛かったフレームワーク。フレームありきで始まった今回のプロジェクトには、相当の労力が惜しみなく投入されている。

フレームラインに合わせてタンクを加工する工程がハードだったと、ビルダーの登之内さんは笑う。また、タンクを下から留めているサブフレームは、タンク脱着時にはそのフレームごと横にスライドさせて引き抜く設計で、前側とエンジンマウントの2点をゆるめて対処。周囲のフレームとの間にクリアランスを設けているのはそのためだ。

ハーレー フルスクラッチカスタム エボリューションSPCN

デザイン性の高いシート周りにも一理ある。シート、アルミカバー、スチールフェンダーの3部立てとなるが、こうしたのはアルミカバーが無いと収まりが悪く不格好に見えるから。どうしてもスチールフェンダーとフレームとの間に隙間が出来て間が持たないため、デザイン性を兼ねたアルミカバーでそこを埋めてアップデイト。シートからの滑らかなラインのままリアエンドへと導いている。

ハーレー フルスクラッチカスタム エボリューションSPCN

そして、極めつけはペイントだ。鈑金塗装のプロフェッショナルだった経歴を持つ氏は、すべて自分で担当。このガンメタベースのオールペンにも幾多の技が潜む。まず、スキャロップの縁を走るラインだが、よく見ると白ではなくグレー。当初はアイボリーで試したが、予想外に鮮やかになり過ぎたために変更したカラーだそうだ。次に、HARLEY-DAVIDSONのロゴはどうだろう。

ハーレー フルスクラッチカスタム エボリューションSPCN

「塗る順番とかきれいにラインを出すのが大変だったかな。このスペースに収まるように文字の大きさをひとつずつ変えていくっていうんですか。何パターンか作って合わせてみたり、すごい時間がかかる(笑)」

きっと笑えないほどの時間を共にしたスペシャルに、同店のクリエイティブは爆発する。

HARLEY-DAVIDSON EVOLUTION SPCN DETAIL WORK

ハーレー フルスクラッチカスタムのハンドル

HANDLE

オートレーサーを思わすスピードバーが全体の雰囲気を引き締める。シンプルなライザーも違和感なく調和。

ハーレー フルスクラッチカスタムのフレームワーク

FRAME WORK

フレームはほぼ鉄で成形し、わずかにパテを使って補正。脱着を考慮してタンク全周にクリアランスが取られる。

ハーレー フルスクラッチカスタムのシフトリンケージ

SHIFT LINKAGE

レブテック製4速ミッションのハンドシフト化に伴い加工。乱雑になるのを嫌い、真っ直ぐな棒を使って製作。

ハーレー フルスクラッチカスタムのリアフェンダー

REAR FENDER

シートを含め全3ピースで構成。アルミカバーが隙間を埋めるのと同時に、デザインのアクセントとしても機能。

ハーレー フルスクラッチカスタムのリアホイール

REAR WHEEL

前後23インチの大径ホイールを装着。ワイドタイヤではないナローゆえのスポーティーさがポイントとなる。

ハーレー フルスクラッチカスタムのリアアクスル

REAR AXLE

徹底した作り込みは細部まで至る。アクスル周りの処理ばかりかナンバーステーにも見どころは用意される。

BUILDER’S VOICE

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