トライアンフ フルカスタム TR6 トロフィー 1967

TRIUMPH TR6 TROPHY 1967
HEIWA MOTORCYCLE

October 5th, 2017

頂点に輝く
2016年の正夢

2016年度の横浜ホットロッドカスタムショーで、バイク部門の頂点であるBEST OF SHOWに輝いたトライアンフTR6だ。製作は、広島の平和モーターサイクル。言わずと知れた、アワード常連のニューヒーロー。

トライアンフ フルカスタム TR6 トロフィー 1967

「ホットロッドショーに向けて、一番大きな賞を取りに行ったバイクです。だからほんとフルスクラッチで作り込んだ感じ。ポイントはいっぱいあって、どこっていうのが(笑)。例えば、リアタイヤを太くしようとしたらチェーンラインが当たってしまった。そこで反対側にラインを持って来たりだとか」

特別そこを強調したいわけでもなかったため、苦労して移動させても素知らぬ顔。そこに自慢気なアピールは皆無である。

トライアンフ フルカスタム TR6 トロフィー 1967

「納得する形になるまでやり直すことはもちろんあります。タンクは何個か作ってますよ(笑)。マフラーのレイアウトにしても最初からこれになったのではなく、いろいろ手直しした上で落ち着いてますから」

大袈裟抜きに、ミリ単位での調整を繰り返した結果がこの一台だ。ビルダーの木村さんは淡々と、ジェントルに言葉をつなぐが、ジェントルなだけでこのカスタムが生まれないことぐらいは素人にも分かる。ある一定のレベルを超えたビルダーが皆そうであるように、そこには普段見せない、一心不乱な飛び級の『狂気』が潜んでいる。

トライアンフ フルカスタム TR6 トロフィー 1967

「まあ、あっと言わせる感じで(笑)。簡単に出来るものじゃないから少しずつ技術を習得して作ったり、あとは毎年やることでスキルも上がっていきますし」

外装の作り込みもさることながら、先のチェーンラインの移設や、シート下のプロリンクサスに倣った専門的な構造も目ざましい。バネだけではストロークが短いことから、リンケージを介して押すというホンダの設計を参考にしたそれは、メカニカルな造形美を宿す。

トライアンフ フルカスタム TR6 トロフィー 1967

「別に何かを見たりインスピレーションを受けてというわけじゃない。結局自分がカッコ良いと思う形があって、そのシルエットになるよう作っていく感じですから。イメージは全部自分の頭の中にあって、始めるときに絵を描くわけでもないからバランスを取るのが難しいですね。あと自分がレプリカ世代なんで、レーシーな要素というのは無意識に入ってるとは思います」

トライアンフ フルカスタム TR6 トロフィー 1967

堂々たる居住まいで頂点を極めたトライアンフTR6。ホットロッドカスタムショー当日のあの時、誰もが溢れるような好意でもってこのバイクを眺めていた。

TRIUMPH TR6 TROPHY 1967 DETAIL WORK

トライアンフ TR6 トロフィー 1967のフロントフォーク

FRONT FORK

アプリリアのクライマーというトライアルバイクのフォークを流用。フィニッシュは非の打ちどころがない。

トライアンフ TR6 トロフィー 1967のガスタンク

GAS TANK

スチールで製作したタンクは納得行かず数回試した末に完成。トーンを抑えた深みのある色合いが同店流だ。

トライアンフ TR6 トロフィー 1967のマフラー

MUFFLER

デザイン性の高いレイアウトの左右出しマフラーもまた、この形になるまでトライ&エラーが繰り返された。

トライアンフ TR6 トロフィー 1967のサスペンション

SUSPENSION

プロリンクサスを参考にワンオフ。メカニカルなリンケージを介してバネを駆動。乗り心地は大幅に向上する。

トライアンフ TR6 トロフィー 1967のフットコントロール

FOOT CONTROL

ステップやステー、カバーはすべてワンメイク。ビルダーのキメ細やかな作業が反映された有機的な造形だ。

トライアンフ TR6 トロフィー 1967のオイルタンク

OIL TANK

最初からそこにあったかの完成度を誇るオイルタンク。フットコントロールと一体化した秀逸なデザイン。

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