HARLEY-DAVIDSON FXE 1976
MOTORI GARAGE
膝カックンで
激シブドラフト指名
相変わらず上手い。としか言いようがない黄金比のチョッパー。特にエンジン側、右斜め後方からのショットなんて飽きることがない眺めだ。『オーソドックス』と『トラディショナル』の軸をブラさない安定の一台には、釣り竿に魚が掛かったとき同様の、あのブルブルッと心地よく胸打つ感覚がある。
いつもの安定感を携えるのは、モトリガレージ店主の鳥居さんだ。肩肘張らない柔和な雰囲気は毎度のごとく、今回はガスタンクを起点にしてカスタムを始めたと言う。
「なんだろう、たまたま手に入った’71年のスポーツスタータンク。あれありきでスタートですね。オーナーもそれを活かしたいということだったんで。あとは某有名人が乗ったら似合うバイク(笑)」
ハーレー好きで知られる長身の有名人と、同じく180cm台のオーナーをリンクさせて、早速製作を開始。足の短い僕には似合わないけど、と軽い冗談を飛ばしつつ、「跨ったときに膝が『カクンッ』と鋭角的に曲がるポジションがまた似合ってるんだ」、とまるで自分のことのように嬉しそうである。
次に、頭を悩ませた箇所を聞いて、絞り出すように返って来た答えは『色彩』だ。オールペンをしたわけではない車両を前に、その疑問をストレートにぶつけてみた。
「そうですね。ペイントではなく、それぞれのパーツの色の組み合わせって意味です。タンクありきだったんでそれに合うシートの色、タンクとシートに合う小物パーツの色とか。これに関して言えばやさしい感じ。やわらかい色合いですね(笑)」
パーツチョイスばかりか、カラーバランスのツボさえも芯を外さない。ピッチャーで言えば、どの球団も欲しがる先発候補。その辺の感覚を探ると、どうやら本人も気付いてはいないが、普段からハーレーだけでなく原付や様々なバイクに触れていることも影響しているようだ。
「視野が広くなってると言われれば、もしかしたらそういうのもあるんですかね。逆に不良のハーレーの世界ってあんまり見てこなかったんで。自分が乗りたいバイクを作るとこういうバランスになってくるかな」
振り返れば、とにかく完成させるのに一生懸命だったと言う。部品集めに夢中になっていたため、どこを頑張ったのかを聞かれても、もうそのことしか思い出せないそうだ。無我夢中。人前では決して見せないその熱狂に、ゲストは今日もそそられる。
HARLEY-DAVIDSON FXE 1976 DETAIL WORK
HANDLE
絶妙なサイズ感のハンドルはFL用レプリカの幅を詰めて整形。ライザーは同じくFL用の分割タイプをセット。
FRONT FORK
41φのワイドグライドフォークは6インチオーバー。ライトはデッドストックのシューペリア製サイドマウント。
GAS TANK
タンクありきでカスタムはスタート。たまたま入手した色味の鮮やかな’71年式スポーツスタータンクである。
ENGINE
エンジンはストックでS&S製Bキャブを装着。カバーは仙台では知られた存在のパワーストーン製オリジナル。
REAR END
シッシーバーエンドの造形や配線を留める黒布テープなど、全体に渡って細やかなフィニッシュが成される。
SISSY BAR
ワンオフのシンプルなシッシーバーにフォード製レプリカライトをセット。フェンダーはレプリカのワッセル。
MOTORI GARAGE
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