HARLEY-DAVIDSON FX1200 1975
MIX
油断ならない
一本のリブデザイン
リジッドフレームにショベルモーター。フロントには王道のスプリンガーフォークが付いた、正に「これぞショベリジ!』と呼べる普遍的スタイルの’75年式FX1200。
製作は、地元に根付いた群馬県の『ミックス』が行い、オーナーの「黒とメッキを使ったバイクを作ってくれ」、というオーダーを受けて仕上げたものだ。基本的にはスタンダードなスタイルをまっすぐにトレースするが、フロントに使ったVLフォークのデザインがひとつのカギになっている。
「スプリンガーは普通の74じゃなくてVLを使ってみたかったんで、オーナーに言って付けさせてもらってます。そもそもあんまりこだわった物が好きじゃない人だったんでシンプルに作ってる。だから苦労したとかそんなに手間は掛かってないですよ」
ショーバイクからライトカスタムまで、要望に応じて柔軟に対処する店主の安さんは、この一台はそんな理由からサクサク仕上げたバイクだと言う。いわゆる同店ではライトカスタムの部類だ。
さて、それでは今回のカギとなるVLフォークのデザインに焦点を絞ろう。リアレッグの両端にリブが立った特徴的な造形。このデザインが要所であしらわれているのがポイントだ。フェンダーストラットとハンドシフトステー、チェーンカバーと、なかなか細かい箇所に至るまでが同形状を踏襲。決して目立たない箇所だが、統一されたそれを知った時の感動は結構なものがある。
「VLフォークの形を見て、ステーはフラットバーの真ん中に削りを入れて両端にリブが立ったような感じにしてる。シフトステーはワンオフじゃなくてロータリートップのアームが同じ雰囲気だったのでそれを使ってます」
なるほど、既存パーツの有効利用も合理的だ。そして、その延長で細部に目を凝らすとまた新たな発見がある。タンクやフェンダーといったメインパートのマウントには極力マイナスネジを使ってヴィンテージ感を演出し、配線の固定はタイラップではなく黒布テープの綿密さだ。
最後に、同店の『色』が出た前後19/16インチのホイールサイズにも触れておきたい。フロントを21インチでも16インチでもなく、19インチに変更したのは車高が上がり過ぎず下がり過ぎない丁度良いバランスの為で、ミックスではほとんどのカスタムにこのフロント19インチを採用。これと言って主張しなかった店主がひそかに覗かせた独自のアプローチである。
HARLEY-DAVIDSON FX1200 1975 DETAIL WORK
HANDLE
スタイルを損なわず操作性を確保した程良いワイズのワンオフバー。グリップはナイス!MC製のダイヤタイプ。
FRONT FORK
フォークはVLタイプを装着。リアレッグのデザインを踏襲して完成度を高める。ヘッドライトはユニティ製S6。
GAS TANK
スポーツタンクはステーのみ加工。フレームとの装着部にはマイナスネジを使用してヴィンテージ感を醸す。
PRIMARY COVER
プライマリーにナックルタイプのカバーを装着。オールドタイムなVLフォークとの相性良好なパーツチョイス。
MUFFLER
マフラーは吊るしのパウコ製スラッシュカットをベースにエンド部分をカット。ポーカーパイプとされた。
REAR END
フラットフェンダーのステーはVLデザインでワンオフ。スパルトテールは汎用タイプをそのままセットする。
BUILDER’S VOICE
MIX
住所 | 群馬県高崎市剣崎町231 |
---|---|
電話 | 027-381-5887 |
FAX | 027-381-5887 |
SHOP | MIXのショップ紹介 |
営業時間 | 10:00 ~ 20:00 |
定休日 | 不定休 |