HARLEY-DAVIDSON SHOVELHEAD
SHOP SAMS
シルバーとブラックで統一された
サムズのストリート・チョッパー
海外のアウトロー・モーターサイクルクラブが好んだカスタムのFRISCOスタイル。この往年のスタイルを、日本の文化や風土に合わせて昇華させたのがショップ・サムズだ。
2012年に仙台から東京進出を果たして以来、『サムズ・スタイル』とも呼ばれる、ビルダー鈴木修氏が手掛けるチョッパーの人気は過熱する一方。いまや押しも押されぬ、ジャパニーズFRISCOスタイルのパイオニア的存在だ。今回のショベルヘッドを搭載した一台も、ひと目でサムズと分かる雰囲気を醸している。
「昔からやっていることは変わらないよ。周りからは作る物がブレないとよく言われるけど特別意識しているわけではない。これしかないし、この形が好きなだけ。これからもずっとそうだと思うよ」
一貫したカスタムスタイルは、彼の手掛けてきた歴代のチョッパーを見れば一目瞭然。実に壮観である。かの時代のFRISCOスタイルを、自身の感性でブラッシュアップした『サムズ・スタイル』。日本のストリートで映えるチョッパーという文句がビシッと当てはまるチョッパー群だ。
このダークトーンに身を包んだショベルヘッドは、いわゆる繊細でキメ細かな作り込みがなされたチョッパーではない。荒っぽく、ハードなライディングにも耐え得る一台と表現した方が良いだろう。しかしながら、スキモノにとっては堪らないチョッパースタイル。シルバーとブラックで統一したキレたカラーリングからして既に、氏の感性が存分に注がれている。
骨格となるフレームはブラックからシルバーへとペイント。外装はミディアムエイプのハンドルにスポーツスタータンク、細身のフラットフェンダーという定番のセットアップでまとめられる。が、そこは百戦錬磨のサムズ。均整の取れたフォルムはパーツを取り付けただけでやすやすと手に入るものではない。そして他にも、リアフェンダーステーやステップ、各マウント部分にはさり気なくスロッテッド加工のアクセントを効かせている。
全体のスタイル以外に、敢えてサムズらしさをピックアップするのならば、マフラーの取り回しが挙げられる。右側ではなくトリッキーな左出しのミッドハイ・マウントとして、ブラックカラーにペイント。ことさら『やった感』を出すことなく、実に自然な仕上がり。何よりビルダー鈴木氏の手に掛かれば、すべてのディテールにワルっぽいエッセンスが宿ってしまう。
バッテリーレスの車体を見渡せば、シート下には小型のリチウムフェライトバッテリーが目立たないように装着されていたりする。これは次世代ロボットなどにも使われるアイテムだ。ブレないスタイルの中にもこんな新鮮な発見があるのもまた面白い。
変化球を嫌う、直球勝負の豪腕。そんな一本筋の通ったビルダーがショップ・サムズの主、鈴木修氏だ。自らのオリジナルスタイルを時代の潮流に乗せていく、ストリートシーンのキーマンである。
HARLEY-DAVIDSON SHOVELHEAD DETAIL WORK
HEAD LIGHT
特別希少なパーツを使うことなく、ライトをサイドマウントとするだけでもご覧のグッドルッキンな表情に。
HANDLE
シンプルだからこそ奥が深いハンドル形状。見た目はもちろんだが乗っている姿がキマるミディアムエイプだ。
FRONT WHEEL
9本キャストホイールをブラックアウト。足回りのカラーリングひとつでサムズテイストが演出される。
GAS TANK
スポーツスタータンクにはシンプルな単色でピンラインが入る。派手さはないが目を引くポイントだ。
MUFFLER
左出しのワンオフ2in1マフラー。シルバーではなくブラックのカラーがこのチョッパーにはベストマッチ。
FOOT CONTROL
ライディングポジションにこだわり、調整されたステップ位置。外観もスロッテッド加工で抜かりはない。
FENDER STAY
縁にピンラインが入るオリジナルのフラットフェンダーを支持するステーにはスロッテッド加工が施される。
BUILDER’S VOICE
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