HARLEY-DAVIDSON FL 1970
INDIAN ORANGE MOTORCYCLE
コーナリングヘッズ横目に
今宵もマイクネスフィーバー
初めて店内に足を踏み込んだ時に、ああ、と思ったショップだ。ほど良くボリュームを絞ったスピーカーから流れて来る、往年のジョーンジェットやソーシャルディストーションといったアメリカンオーガニックなメドレー。普段聞くそれとは違い、製作途中のチョッパーが並ぶ空間に響く彼らの歌声はまた格別だった。こっちの方が断然耳によく馴染む。
久しぶりに顔を出した店内には、相変わらずのメドレーが、気持ちボリューム高めに流れていた。期待通りのシチュエーションにどこかほっとしつつ、早速、店主の小田さんに今回の’70年式FLを紹介してもらう。
「これは、要は走れるチョッパーにして欲しいというオーダーだった。コーナリングの楽しいチョッパー(笑)。オーナーさんがバイクに慣れるにつれて、もっとワインディングとかバンバンいけるようにしたいと」
それを受けて小田さんが着手したのは、足周りのモディファイだった。まず、純正のFLタイプからスポーツスター1200S用のフォークに変更。3段階の減衰があってプリロードをかけれると一押しのパーツで、ホイールには軽量・高精度なサンダンス製エンケイを選択。キャリパーはフロントにグリメカ、リアにapレーシング製をセットして確実な制動力を確保した。
「1200Sのフォークは賢く出来てるので安心して使える。このスタイルにハイパフォーマンス系のフォークを付けるとちぐはぐなものになってしまうけん、チョッパーにしっかりした物となるとちょうど良いんですよ」
エンジンはストックで、キャブにFCRをチョイス。ヤル気のクリーナーカバーはアルミのワンオフで、より多くの空気を取り込んで出力アップを図る、若干のラムエア効果も狙ったものだそう。そしてリアショックはショート丈ではなく、米国が誇るワークスパフォーマンス製の12.5インチで、走りに振ったコンセプトにブレはない。
「今回はスタイルというよりも走りかな」、という言葉通り、『やり過ぎ』で知られる氏にしては比較的おとなしめなシルエットだ。タンクは汎用ピーナッツタイプを加工して、フェンダーもトライアンフ用をショートカット。ハンドルとマフラーはワンオフながら、いつもの執拗な攻めは鳴りを潜める。
しかし、折り畳み式のトリッキーなサイドナンバーの作りに、唯一、その片鱗を覗かせた。そこでたまらず畳みかけると、「あんまこういうパーツは押したくない(笑)」とひと言。とは言え、ファンは、貴方のこうした作り込みに夢を見る。
HARLEY-DAVIDSON FL 1970 DETAIL WORK
FRONT FORK
チョッパーとの相性が良いと小田さんがオススメするスポーツスター1200Sのフォークをストック長で装着。
GAS TANK
ワッセルのピーナッツタンクのトンネルを加工してマウント。ペイントは山口の420カスタムズによるもの。
ENGINE
エンジンはストックでキャブにFCRを付けた本気仕様。カバーはアルミのワンオフでラムエア効果を狙った形状。
MUFFLER
アイキャッチに利く有機的なラインを描いたマフラー。ペイントの派手さに合わせてホワイトカラーで統一。
REAR WHEEL
軽量・高精度のサンダンス製エンケイ18インチをセット。キャリパーはapレーシングで安心の制動力を確保。
SIDE NUMBER
精緻に作り込まれたナンバーステーはピンボルトを抜けば折りたためる仕様。細やかな仕事はさすがである。
BUILDER’S VOICE
INDIAN ORANGE MOTORCYCLE
住所 | 福岡県北九州市若松区二島4-1-43 |
---|---|
電話 | 093-701-0557 |
FAX | 093-791-2008 |
SHOP | INDIAN ORANGE MOTORCYCLEのショップ紹介 |
営業時間 | 10:00 ~ 20:00 |
定休日 | 火曜日(第2火曜除く)、第2日曜・月曜日 |