H-D EL 1936
PRIDE ROCK MOTORCYCLE
手順を踏んで吹き込む
リスペクトからの創造
‘60年代から’70年代前半のチョッパービルドに一徹した作り手によるブランニューである。今のように多くのファンがこの時代のチョッパーに関心を寄せるだいぶ前から、どっぷりと喉元まで浸かってきた店主大脇さんが手を回す景色は別もの。一種、肌が粟だつような凄みが漂う。
愛知県を地盤に目下沸騰するアパレルブランド『FINESIXXX(ファインシックス)』でディレクターを務めるオーナーからの注文だったと言う。フリスコスタイルにロングフォークのテイストを加えた雰囲気に。この毒性の強いスタイルは大脇さんが最も得意とするところであり、また、大切にしてきた領域でもある。
「フリスコスタイルって’80年代後半から’90年代っていうイメージだと思うんですけど、それが少し古かったらこうなんじゃないかなって。僕の好きなジャンルがもうちょっと古い所なんで、それをフリスコに落とし込むみたいな感じです」
もしフリスコスタイルが以前にあったらきっとこういう形だったかもしれない。こうした創造を巡らせた物作りは氏が終始行ってきたもので、過去の作品をそのまま再現した焼き増しではないところが同店の持ち味でもある。
そして今回特に労力を費やしたのが、フレームのメタルワークとガスタンクだった。まず、全体のフレームモールディングの調子に合わせて、ダウンチューブにモールドを付加。丸棒で骨組みを作った後に鉄板をあてて成形していった部位である。次に、ガスタンクはバナナタンクをベースにして、トンネルとマウントタブを加工。思うようにラインが決まらず、頭の中で考えながら作っていくのが大変だったそうだ。
リアフェンダーはかつてあったオールドタイプの形を念頭に置いて、タイヤに丸っとアールが被らないように幅を詰めて後ろが若干上がるように造作。また、フットコントロールはわずかにハイペグ化してブレーキは逆に配置。これはブレーキング時の不良性を加味した部位で、チョッパー単体ではなくライディングも含めたトータルでの表現方法にまで目はしを利かせている。
「このブレーキも昔あったカスタムの一例というか、ちょっと悪そうな感じに見えるじゃないですか。あとはメッキメッキしたくないということだったんで所々にパーカライズを取り入れてるぐらいですかね」
古きに敬意を表し、その上で創造を続ける物作り。理解を深めた人間だけが持ちうる地熱のようなものが、このチョッパーには根を下ろしている。
HARLEY-DAVIDSON EL 1936 DETAIL WORK
HANDLE
三つ巴のハンドル周り。フランダースライザーにヴィンテージのロボハンを装着。2連のヘッドライトはヘラー製。
FRONT FORK
インディアンチーフのフォークを流用して10インチオーバーでセット。フレームダウンチューブをモールド加工。
GAS TANK
元のフレームモールディングの風合いに合わせてバナナタンクをリメイク。トンネル部やマウントタブを作製。
PRIMARY
社外カバーはインスペクションとダービー部のみ残して緑に塗装。クラッチペダルは愛知県のフィーバー製。
SEAT
オリジナルシートの上にアメリカバイソン毛皮のカバーを被せる。アウェイクとライダースハイのコラボ1号機。
MUFFLER
ワンオフのマフラーはエンド部のみアイアンショベル純正を採用。フェンダー後方は気持ち上げてマウント。
BUILDER’S VOICE
PRIDE ROCK MOTORCYCLE
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