H-D SHOVELHEAD 1974
ENDO AUTO SERVICE
陽が射すレディの
二台目の待ち合わせ
女性がオーナーのショベルヘッドだ。彼女が初めて手にしたハーレーは20年前に買ったファットボーイで、一時育児で乗れない期間はあったものの、それはこれまでずっと手元に置いておいた愛車である。そして3年前に、乗り換えではなく増車というカタチでこの一台をオーダーメイドで製作したそうだ。
「インスタグラムとかを通して、こういうビンテージの車両に乗ってる人たちに出会って、ジョッキーシフトに乗ってみたくなったんですよね(笑)。それで周りに乗ってる方が出てくるようになって、興味が湧いて、遠藤さんに連れて来てもらったんです」
そう楽しげに話すオーナーの栁澤(やなぎさわ)さんからは、その好きさ加減がしびれるほどに伝わってくる。飾らずストレートに感情を表す彼女には、思わずこっちの体温まで上がってしまいそうな熱量が弾けている。
「週に2、3回は乗ってます。乗れるときはいつも乗ってます(笑)。みんなはお休みの時のツーリングがメインかもしれないですけど、私はいつも乗れるときは乗ろうっていう感覚(笑)」
後から遠藤自動車の大柿さんに聞けば、とにかくよく走るそうで、ふらりと近所に出かけるようなフットワークの軽さでロングツーリングにも出かけてしまうと言う。なんだか妙に晴れやかな印象を受けたのは、きっとそんなアクティブ過ぎる行動力からのものだろう。
さて、オーダーに当たっては、店内に飾られていた車両を見てその場で、「こんな感じでお願いします!」と契約完了。希望したのは自転車で買い物に行くような手軽に乗れるイメージだった。
そこでまず作り手の大柿さんは、フレームを選択してエンジンを搭載するところからカスタムをスタート。オーナーがまたがった時にサイズの違和感が出ないように、外装をひとつずつ慎重に合わせていき作業を進めた。そしてまた、行動派の彼女の乗り方から、ロングツーリングにも当たり前に行けるように作ったところもポイントだと語る。
「今は子供も大きくなったのでまた乗ろうって(笑)。子供も興味はあるみたいですけど一度も乗せたことはないです。自分の人生じゃないですけど、乗りたいなら自分で乗ってって。ただ本人も乗るつもりでいるみたいですけどね(笑)」
一緒に旅したい。10年前にハーレーでアメリカを走った時に子供と交わした冗談とも本気ともつかない会話を、彼女は嬉しそうに回想する。
HARLEY-DAVIDSON SHOVELHEAD 1974 DETAIL WORK
HANDLE
汎用のボバーハンドルを女性オーナーのポジションに合わせて加工。アクセントに真鍮パーツを要所にあしらう。
FRONT FORK
フロントにはスタンダードな74スプリンガーフォークを選択。ETCアンテナはヘッドライト下に設置する。
GAS TANK
女性らしいデザインが入るピーナツタンクを装着。フレームダウンチューブにムーンアイズ製サブタンクを確保。
MUFFLER
快活に弾けるマフラーはシンプルなダウンタイプのスラッシュカット。キックペダルは同店オリジナルのブラス製。
FOOT CONTROL
2インチオープンに同店製フットコントロールをセット。足位置を変更出来るようにミッドハイステップも用意。
REAR END
前後共に16インチホイールを着用。リアタイヤの荒々しさを押し出すためフェンダーをショートマウント。
BUILDER’S VOICE
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