H-D FL 1948
CREEK MOTORCYCLE
扉をノックする
旅情のホワイトノイズ
培ってきたチョッパービルドの真髄を高らかにかざす『クリークモーターサイクル』。これまで神戸の家元、エースモーターサイクル直系として学んできた作法を余すことなく尽くし、そこに自らの第六感を合わせることで、次代を担うチョッパーシーンのメインストリームに躍り出たショップだ。
ひと言では片付けられない味わいのある’48年式FL。オーナーが希望したキャンプやロングランの使用を前提に作ったものだと、店主の安田さんは人柄が透けてのぞくような控え目な口調で話し出す。
「遠出にも使いたいという話やったんでまあタンクをでかく、10リッター以上は入るようにとか、シーシーバーを長くしたりとか。あとは’70年代とかのアウトローの雰囲気を出して欲しいみたいな感じやったんでその辺ですね」
製作にあたってのコンセプトは以上。が、タンクを大きくした分全体のバランスを取るのが容易ではなかった。なにしろ通常はスモールサイズのタンクを装着するのがチョッパービルドの王道だが、今回は容量10リッター越えのミディアムサイズ。そこで氏はバイクの前方にボリュームが出た分を、マフラーをアップさせるのと同時にシッシーバーの長さを確保することで相殺した。
「あとは塗装ですね。白ベースというのが思ったより難しかったです。全部にお任せでフレイムスを入れて欲しいという感じやったんですけどパターンとかバランスとか、あんまり色入れてもって思ったんで黒一色にしてます」
しかもオーナーが要望したのは単なる白ではなく青みがかった白。作り物だけでなく、外注に任せず自分でスプレーガンを握るだけでも抜け出るが、そこに『少し濁った青っぽい白』というハードル高めのオーダーも難なくこなすあたりに氏の才腕が光る。
前後のホイールは体格の大きい乗り手に合わせて21/19インチとし、フロントは33.4φフォークを約8インチ伸ばして装着。一方、タンクやマフラー、シッシーバーなどのワンオフパーツはこなれたストイックなまでの手作業で狙い通りの形状にもっていっている。そしてそうした胸に響く手作業の集大成が『クリーク』の奥行のひとつではあるが、作り手が居住まいを正した作法はこんなところにもある。
「まあステップ位置とかシートとかハンドルポジションとかは一見チョッパーなんで乗り難そうですけど乗ってみたらそうでもない。ラクに乗れるようにというのはいつも心がけてやってます」
HARLEY-DAVIDSON FL 1948 DETAIL WORK
HANDLE
アイアン純正ライザーに、ゆったりと後方にのけぞったポジションを生むハンドルはクリークオリジナルの商品。
FRONT FORK
ほど良く伸びたフォークはアイアン用33.4φを約8インチ延長。ヘッドライトにはナイス! MC製を2連で装着。
GAS TANK
縦横輪切りにしていき加工したという容量10リッターを確保するガスタンク。中央のオーナメントがポイント。
MUFFLER
エンド部のディンプルがアクセントになるアップスイープマフラー。タンクとのバランスを計りマウントする。
FOOT CONTROL
スロッテッド加工を施したフットコントロール周りも一品製作。ステップはストゥープモーターサイクルズ製。
SEAT
車体にフィットするプリっと肉厚のシートはアトリエチェリーが担当。フェンダーはリブタイプを選択する。
BUILDER’S VOICE
CREEK MOTORCYCLE
住所 | 兵庫県神戸市兵庫区小河通5-1-201階ガレージ |
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電話 | 080-4233-9261 |
SHOP | CREEK MOTORCYCLEのショップ紹介 |
営業時間 | 11:00 ~ 20:00 |
定休日 | 火曜日 |