SUZUKI VANVAN 200
A BEARD
夢から飛び起きる
エンジン横の美酒
おそらく100人いたら98人は同じリアクションをするんだと思う。「これがあのバンバン!?」って。まあきっと、残りの2人も似たようなものだろうけど。
スマートでスタイリッシュ。街中を走る姿を想像するだけでもぽっと体温が上がってくるような蠱惑(こわく)の一台は、スズキバンバン200がベースだ。そしてバンバンオーナーですらあざむくこの変幻ぶりにはもはや、スタンディングオベーションで賛辞を贈るほか為すすべはない。
「あの、思い付くんです。夢で、エンジンの横にサスペンションが付いたバイクが出てきた。そこですぐに飛び起きて、メモをとっておこうと(笑)。デザインをバーッと紙に描いておくんです」
それを翌朝すぐ実行に移したと代表の上田さんは回想する。特別バンバンである必要もなかったと言うが、バンバンは氏が長年慣れ親しんできたモデルのひとつで、隅々まで理解の及んだ言わば秘蔵っ子。
「ひらめきましたね(笑)。ちょっと近未来的な雰囲気にしようと思ってヘッドライトのプロジェクターを縦に2つ付けたり、ガスタンクを加工したり。これも軽くメモはしてたんですけど何回もああじゃないこうじゃないって(笑)」
そしてなんと言っても、左右に配したサスペンションである。聞けば、イメージが湧くまでずーっとエンジン横にサスをあてがい、どこに固定するかを考え続けたそうだ。その結果がこのクリティカルヒットを放ったマウント位置で、その無二のデザインばかりか機能性をしっかり確保している点も捨ておけない。
「出来るまでに2週間ぐらいかかりましたね。やっぱり強度の問題がありますから。どうしてもしなりがあるんで、先っちょへ細く逃げれるような加工で作らないといけませんので」
さて、他の外装はどうだろう。まずフロントフォークは純正を約4cmほどローダウン。そこに前後14インチのファットホイールを装着し、ロードタイヤをセット。フロントへリアの14インチを持って来たのち、そのまま純正チューブを使うと中でだいぶ遊んでしまうためにチューブレス加工を施している。
一方、スイングアームは一見延長したかのように映るが実際は5cmほどショート化。ロードタイヤを付けることでタイヤハイトが低くなり間延びした分をそつなく調整する。
「ポイントですか? まあ総合的に、見てもらえれば分かる通り、『これがバンバン!?』って。いつでもアイデアが浮かんだら忘れないようにしてカタチにする。そこですよね(笑)」
SUZUKI VANVAN 200 DETAIL WORK
FRONT FORK
フォークは純正を約4cmローダウン。近未来感を狙ったヘッドライトはプロジェクターランプを2連で装着。
GAS TANK
タンクは元々別のバイクに付いていたスポーツタンクを移植して加工。ペイントのグラフィックが目を引く。
SUSPENSION
最大の山場となる左右に設置した横置きサスペンション。デザイン性の高さはもちろん機能性も保持する。
MUFFLER
街中に馴染むマフラーはエンドをカチ上げたダウンタイプ。エキパイはステンレス製でサイレンサーは鉄製。
SEAT
シートレイルに手を加え、そのプラティカルな部位にワンオフシートを乗せる。電装カバーにはスイッチを配置。
SWINGARM
スイングアームは約5cmショート化。ロードタイヤを履かせてタイヤハイトが低くなった分のスペースを調整。
BUILDER’S VOICE
A BEARD
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