WRENCH MOTORCYCLE SERVICE

黒子で支える
二重仕掛けの要塞

口コミでネットワークがつながり、裏方に回って仙台のチョッパー乗りを支えるショップである。2016年に始動した『レンチ』は、ハーレーのエボリューション以前を中心に扱うバイク屋だ。

工場街の一角に店舗を構える同店は、大きな鉄扉を開くと、そこで初めてウッディな外観が姿を現す、いわゆる二重仕掛けのエントランスとなっている。これはデザインもそうだが、雨でもバイクを外に並べられるようにという配慮からだ。そして、店内に広がる空間がまたスウェリッシュ。60坪の敷地には、バイクや工作機械が自然と絵になる配置を見せている。

「結局バイク屋みたいな話ですよ。カスタムビルダーっていう認識はあまりなくて、外装も修理も整備もなんでもやります。まあ個人的にカスタムは、フリスコとかオールドスクールが好きですけどね」

代表の伊澤さんは丁寧にそう言葉をつむぐ。これまで20年弱、仙台のチョッパーシーンと共に歩んできた氏に気負いはなく、今後もフラットな姿勢で工具を握り続ける。