SPEED MOTOR CYCLES

スピードモーターサイクルズ（山形県南陽市）

SHOP

May 29th, 2018

店前に並べた’34フォードにゆったりと腰を下ろす姿に風格がある店主だ。代表の加藤さんは1991年にハーレーのカスタムショップとして同店を立ち上げ、以来、山形の老舗としてマイペースな運営を続けている。

「ツインカムもやるけど結局古いやつが得意かな。そもそも俺が習ったのがロナーセイジの中村さんで、水戸に修業に行ってたんですよ。それでその前はデン（※モーターサイクルズ・デン）の客で、だいぶ通ってましたね」

そのため推し出すカスタムは昔から変わらず、当時の氏が魅了されたコンパクトでボニーなマシンが多いと言う。とは言え、基本的にはなんでも作り、ほとんどの作業を行うというスタンスが前提だ。

「ロングフォークでもなんでも（笑）。エンジンもバルブ交換やボーリング以外は全部自分のところだし、ウチは溶接してモールディングして塗装までやってます」

その言葉を裏付けるようにエンジン作業部屋を始めとした各エリアには、過ごした時間を感じさせるリアリティがある。

店内に足を踏み入れるとすぐ縦長の作業場となる。仕切りは無いが大きく前と後ろの2区画で分けられ、前の左側は金属加工部屋。旋盤を始めカスタムに必要な機器が完備される。

店内後ろの区画の、更に後方に用意された内燃機作業用エリア。特殊機器が用意され、実際にバランス取りまでしているのが瞭然の佇まいである。氏の腕を頼る地元のファンは多い。

内燃機作業用エリアを抜けるとカウンターを配したレストルームとなる。天井や左右のガラスケースにはパーツを多数ラインナップ。縦長の店内は意外なほど奥行きのある設計だ。

ロナーセイジやデンに影響を受けた氏はそのテイストのカスタムを手掛ける一方、依頼があればロングフォークまでに対応。このショベルは滅多にやらないうちの一台だそうだ。