CRAZY ORANGE MOTORCYCLE

余計なことは考えない
極まるパラドックスの境地

会えば分かるが豪快な当主だ。笑顔と真顔だったらめっぽう笑顔でいる時間の方が長い人、それが中村さんだ。スタートは1999年で、宮崎に『クレイジーオレンジ』ありと言わしめる存在感を誇示したカスタム屋である。

車両の間口的にはハーレーだとエボリューションのスポーツスターが多いが、最新モデルでも頼まれればやってみたいし、原付でもモンキーでもお客さんの人柄と予算があえば全然応えますよと、至って自然な立ち位置だ。

「僕自身はさり気ないカスタムが好きですね。だから作り込んでるんだけどさり気な過ぎて分かんないみたいな（笑）。あんま知らない人が見たら、元々こんなバイクなんやろこれ、カッコ良いねってみたいなノリです」

そんな氏は作業する上で、特別余計なことは考えないようにしているそうだ。いま出来るベストだけを考えて、それ以上は求めない。昨日が100%だったら今日は1%をプラスして101%ぐらいで良いんだと、ふっくり肩の力を抜いた風情で、毎日笑みを弾かせ店に立っている。