
H-D FLH 1959
BARNFIND
淡路の海を守る
暗号式のポセイドン
「これはちょっと南っぽいSO-CAL(ソーキャル)な感じで作ったものですね。時代的には1969年ぐらいの、’60年代終わりから’70年代入りかけのころのイメージです」
全米より、その地で暮らす乗り手の半生が投影されたかのリアルなオールドチョッパーを輸入販売する『バーンファインド』。旧車ラバーの間では知られた存在の同店は一方で、カスタムの面でも濃いめの味付けを好んだコア層を惹き付けている。

テーマは、毎年カリフォルニアで開催される世界最大規模のバイクイベント『ボーンフリー』の空気感にあうチョッパー。時代背景的に1969年ごろを想定し、その時分のロングフォークではないストックレングスのフォークと、まだシッシーバーも重用されてなかった当時のシルエットに編成。
そしてガスタンクやリアフェンダーにスクープ加工やモールディングをほどこすことで、かの時代の焼き増しでは終わらせないオリジナルのチョッパーに押し上げている。

その独自性を見せるスクープ加工を取り入れたガスタンクは、よく見るんで一度はやってみたかったと、多感な好奇心で手掛けた箇所だ。同じくリアフェンダー一体のテールライトボディも、ひたすら鉄板を叩き出して成形した後にフチに丸棒を添えて改作したものである。
この、やったことが無かったからやってみたかったという朴直(ぼくちょく)な入り口もそうだが、結果「やってみたら他のショップよりカッコ良く出来た」という返答がまた、下手な虚勢が無い分逆に痛快だ。

ペイントも見せ場のひとつに大きく寄与する。至近でガスタンクを注視すると極小の凸凹が表面に浮かんでいるが、これはグラフィックではなく実物のテクスチャーとのこと。
勿論表面はつるつるの鏡面仕上げで、内部は外壁塗装の要領で下地にサフを粗めに吹き付けザラザラ感を出し、その上にクリアーを重ねて埋めてゆき、最終的にキャンディブルーをのせて落着させたものだ。

「’60年代終わりごろだとまだこういうペイント技術はそんなに無かったと思う。でもキャンディのグラデーションと合いそうだったんでやってみました」と、トラディショナルな作法を踏襲するのではなく、自身が面白そうと感じたことに対してその衝動を軽やかに行動にのせ、付加価値を添えるのも同店の特色である。

HARLEY-DAVIDSON FLH 1959 DETAIL WORK

HANDLE
プルバックスタイルのトリプルツリー一体のハンドルライザーはオリジナル商品。近日販売予定のパーツ。

FRONT FORK
74スプリンガーフォークにヴィンテージのアリス製ヘッドライトを設置。低くマウントすることで攻撃性を出す。

GAS TANK
タンクには一度やってみたかったと言うスクープ加工を施す。塗装は凸凹のサフを何層ものクリアーで被覆。

MUFFLER
単一のマフラーはシンプルなスラッシュカットで、ホイールは前後21/18インチのジョーンズ製をセットする。

PRIMARY COVER
プライマリーカバーは当時物のパウコ製。そこにステップを埋め込む形でマウント、気の利いた処理が光る部位だ。

TAIL LIGHT
フェンダー一体のテールライトボディは鈑金で成形。ステー頂点のオーナメントは丹念に旋盤で削り出した一品。
BARNFIND
| 住所 | 兵庫県淡路市志筑751-2 |
|---|---|
| 電話 | 0799-70-4550 |
| SHOP | BARNFINDのショップ紹介 |
| 営業時間 | 10:00 ~ 19:00 |
| 定休日 | 日曜日 |

H-D U 1942
H-D XLH883 1997







