CYCLE WESTのナックルヘッドのELチョッパー 1940年

H-D EL 1940
CYCLE WEST

January 12th, 2025

弟と師匠の
思い出ぽろぽろ

例えば、平均的な日本人の体形でまたがったときに、すんなりとマッチする。はたから見た際に、腕が伸びきっていたり足が突っ張ってたりすることはなく、ハンドルを握ったその姿勢は若干前かがみのクルーシャル。

バイクに興味がない人でもちらりと見た時に「なんか良いよな」、と思わせるドレッシーがこのショップにはある。

CYCLE WESTのナックルヘッドのELチョッパー 1940年

そしてこちらのナックルヘッド。ただのチョッパーではなく、店主西山さんの思い入れがぎゅぎゅっと詰まった一台だ。聞けば、オーナーは奥さんの弟で、氏が初めて店を旗揚げした時に以前修行していた親方からはなむけとして受けたものでもある。

「僕が修行させて頂いたジャパンドラッグで最後に作ったバイクなんです。そしたら小川社長が、『おまえ店を開いて一発目のホットロッドカスタムショーこれで出ろよ』って言ってくださって、店のオープンのタイミングで出展させてもらったんです」

CYCLE WESTのナックルヘッドのELチョッパー 1940年

巣立っていく弟子へ快くこのチョッパーをたむける親方の器量に、いかに二人が良好な関係で仕事をしてきたかが伝わってくる。独立時の不安感を思えば、これほどのプレゼントは他になかなかないだろう。

義理の弟ということで、ほぼお任せで着手したチョッパーは大工の彼に似合うように、木工の工場に置いても馴染むイメージで製作された。ポップではなく落ち着いたモノトーンのカラーリングで、部品一つひとつの配置やバランスに配慮したそうだ。

CYCLE WESTのナックルヘッドのELチョッパー 1940年

ズームアップすれば、リアフェンダーの切断箇所やガスタンクの取り付け位置、オフセットさせたハンドルのチョイスなどがそれらに当たるが、ワンオフした黒染めのフェンダーステーやフットコントロール周りといった勘所を押さえた製作物もサイクルウエストならではのものだ。

CYCLE WESTのナックルヘッドのELチョッパー 1940年

「なんかこれって過去の昔のカスタムビルダーが作ったバイクからアイデアを得たりとか、全部自分でひねり出したものではないですよ。頭のどこかにあったりとかそういうものを集めてまとめたっていうのが僕のやった仕事だと思います」

すべてをオリジナルで創る必要はない。先人のアイデアに敬意を払い、それを活かした物作りも実力のうちである。なにより、過去の焼き増しだけでこの存在感は打ち出せない。

CYCLE WESTのナックルヘッドのELチョッパー 1940年

「店のオープンと同時にこのバイクを発表出来たことは、オーナーはもちろんですけど、修行させてもらったジャパンドラッグにすごい感謝の気持ちが蘇りますね。今になって一層いろんなことを思い出します(笑)」

HARLEY-DAVIDSON EL 1940 DETAIL WORK

ハーレーのナックルヘッドのELチョッパー 1940年のハンドル

HANDLE

ミスミエンジニアリング製ドッグボーンライザーとショップサムズ製ハンドル。ハンドルはブラスト仕上げ。

ハーレーのナックルヘッドのELチョッパー 1940年のフロントフォーク

FRONT FORK

純正スプリンガーフォークにトラクターライトを若干下方に向けてマウント。フロントは黒色で引き締める。

ハーレーのナックルヘッドのELチョッパー 1940年のガスタンク

GAS TANK

ヴィンテージのハマータンクを使用。クリームとブラックカラー上に『420カスタムズ』のピンラインがドロウ。

ハーレーのナックルヘッドのELチョッパー 1940年のプライマリーカバー

PRIMARY COVER

フットコントロールはワンオフでカバーはパウコ製となる。ピンラインは420カスタムズのカスミンが担当。

ハーレーのナックルヘッドのELチョッパー 1940年のマフラー

MUFFLER

車体サイズに合わせてマフラーを絶妙なショート長に設定。エンドはわずかにターンアウト・フォームとされた。

ハーレーのナックルヘッドのELチョッパー 1940年のリアエンド

REAR END

リアタイヤは軽快な18インチ径で、短くカットされたフェンダーを支持するステーはパーカライジングで処理。

BUILDER’S VOICE

CYCLE WEST

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電話 0493-81-4552
FAX 0493-81-4553
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