H-D FL 1966
XTREME CYCLE
あの時に焦がれた
仙台発祥のクライシス
オールドスクールのチョッパースタイルからこの種のフリスコスタイルまで、乗り手の骨格に合わせたカスタムを手がける新潟の『エクストリームサイクル』。車体を間延びさせることなくコンパクトに磨き込んだシルエットでフォロワーを従える、下越地方の知られざる作り手だ。
こちらの見せ球無しのド直球なフリスコスタイルのチョッパーは、オーナーの意向を芯で受け止めた快作である。見るからにそそられるライディングを想像させる伝家のフォルムには、乗り手の百感がぎゅっと詰まっている。
「昔、『仙台チョッパー』ってあったじゃないですか。ガンガン飛ばしてすり抜けるみたいな。あの感じのスタイルがカッコいいと思って、それで現に周りの先輩たちもそういう感じの人たちだったんでこうしてもらったんです」
現在は東京に拠点を移して活動するチョッパー屋『ショップサムズ』を頂点にして、独自のカルチャーを育(はぐく)んできた仙台スタイル。今振り返ると、当時多感な若者たちが片っ端からその絶景に惹かれていったのは至極当然のことだったのだろう。
そんな背景からスタートしたプロジェクトだが、製作を任された南浦さんにとってもこのスタイルには何か琴線に触れるものがあったようだ。
「好きなジャンルですし、今は新潟ですけどやはり東北で生まれ育ってナマで見てきた部分もあります。まあ先輩たちが街中をすっ飛ばして乗る姿が正直カッコ良く見えたり男らしく見えましたかね」。過去に見てきた景色がオーナーと一緒な分、話も早かった。
まず、フレームには王道のパウコ製を選択し、ガスタンクとリアフェンダーは吊るしの状態で装着。これは下手に加工してカスタム感を出すと綺麗目に上がり、狙っている無骨なテイストを損なう恐れがあるためだ。そして、フォークは39ミリの4インチオーバーとして、マフラーは不文律なミッドハイのストレートパイプを設置。
一方、エンジンにも手を入れ、フライホイールにトレット&オズボーン製を用い、ヘッドにはS&S製を採用。ストローク量を稼いだ排気量は1400cc強へとアップされ、走りとルックスの双方を備えたものへと膳立てされた。
「オーナーさんとはもう初めて会ってから15年以上経ってますかね。ずっとリジッドのチョッパーに乗り続けて来られて、今回こうやって携わらせてもらいましたけど、まあ本人の表情見るとなんとか合格点をもらえたのかなという感じはしますね」
HARLEY-DAVIDSON FL 1966 DETAIL WORK
HANDLE
市販品のライザーにハンドルはショップサムズ製オリジナルを装着。この形状が特有のフリスコスタイルを生む。
FRONT FORK
フロントには39φフォークの4インチオーバーをセット。ヘッドライト周りはスポーツスター用を採用する。
GAS TANK
スポーツタンクは無骨なテイストを求めて無加工でマウント。表面には縁なしの黒色のフレイムスラインが躍る。
ENGINE
トレット&オズボーンのフライホイールを組んだストローカーエンジン。カムカバーは当時物のスピュース製。
MUFFLER
フリスコスタイル、特に仙台チョッパーには欠かせないミッドハイのストレートパイプ。ワンオフで配備する。
REAR END
フラットフェンダーには定石のトゥームストーンライトを。程よいハイトのシッシーバーは単一で造作。
BUILDER’S VOICE
XTREME CYCLE
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FAX | 0254-20-8814 |
SHOP | XTREME CYCLEのショップ紹介 |
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