SUZUKI GS750GL 1983
CROWS PERFORMANCE
受け継がれた先の
カフェレーサーへの蒸留
おだやかな時間軸のなか、栃木県の東部を拠点にして創作活動を進めてきた。日本古来の伝統工芸に目を向け、そのしっとりとした雅(みやび)かさを、受け持つカスタムに落とし込んでいる。そのためクロウズのマシンには、カスタムシーン固有の舶来の気分というより、和様のムードが揺らめいている。
国産4発のスズキGS750GLを素材にしたカフェレーサーだ。この種のスタイルで一般的な、ハーレーでも国産シングルでもない空冷4発の選択からして痛快である。ショップとしてのスタンスを聞くよりも、こうした事実の方がよほど合点がいく。
「伝統工芸を入れ込みたくて、藍染めの色を意識して作りました。スタイル的には僕がこういった美しいシルエットのバイクが好きでトライしてます。スタイリッシュに疾走するようなシーンとしてセパハンが良いかなと思ってますね」
チョッパーやボバーなど各カスタムをさばく家主の澤村さんだが、推していきたいのはカフェレーサーである。そしてその専心するスタイルは今回、サス回りを大きくモディファイド。ツインサスはモノサス化された。
まず単純にモノサス化といってもドライブシャフトモデルのため、そこを生かすも殺すも加工次第。いかにリア周りをすっきりと、そしてドライブシャフトを映えるようにするかが焦点であった。そして着地させたのが、ご覧の滞りのないリアエンドで、鬼門のドライブシャフトをデザインの一部として取り入れることで実に自然と呼吸が整えられている。
次に、ガスタンクからリアカウルへと続く一連の流れるようなフォルムは美的描写に配慮され、マフラーがその脇を固める。4本の左右出しマフラーは4イン2のレイアウトで左出しとされ、リア周りの勘所を司(つかさど)っている。
「タンクはGS400がベースで、どこかで見たことがあるような雰囲気を取り入れた感じですかね。あとマフラーは左に持ってきて黒と混ぜて塗ってます。全体の藍染めですけど、これは僕のイメージする色はこんな感じかなといろいろ調合して作ったものです」
澤村さんがデザインするシルエットはしっかり芯が通っているが、決して太くはない。太くないぶんその動作がやわらかく、表情は繊細で微妙な動きを見せている。結果どこか静やかで、まとまりのある風情が漂うのは、単に伝統工芸をフラッシュアイデアとして取り入れたのではない、深いところまでの理解に努めてきた気組みからのものだろう。
SUZUKI GS750GL 1983 DETAIL WORK
FRONT FORK
フォークはノーマルを使いトップブリッジを加工。ライトはサイズ感がベストなスズキの200ccの物から流用。
GAS TANK
どこかで見たことのある印象を狙ってスズキGS400用を使い加工。メーターを埋め込み現行キャップを装着。
ENGINE
心地よく吹け上がるサウンドでファンの多い空冷4発。その造形を引き立たせるべく周りはクリーンにされた。
MUFFLER
ノーマルの左右1本ずつのレイアウトは左出し2本へと変更。モノサス化することで主要なデザインの一翼を担う。
REAR SUSPENSION
ホンダCBR400RR製をセッティングして設置。モノサス化に合わせてフレームもタンク下からモディファイド。
SEAT COWL
藍染めにカラーリングされたシートカウルはアルミで製作した部位。ライトはカワサキゼファー1100用となる。
BUILDER’S VOICE
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