H-D XLCH 1968
BOOTLEG
あのミッキーが手招く
セブンティーズディガー
目が覚めるかのセブンティーズディガーである。いや、そもそも眠気なんてなくてもパッキパキに覚醒されてしまうかのインパクトだ。製作は埼玉県の『ブートレグ』。しばらくこの種のフルカスタムから離れていた同店だが、いざ本腰で向き合えばご覧のスケールである。正直、控えめに言って、夢しかない。
ミッキーはミッキーでも玄人衆を喜ばすミッキーが原点である。ドラッグレース用タイヤの『ミッキートンプソン』を履かせたカスタムをしたいと、オーナーの依頼を受けたのが始まりだ。しかしそこから普通ならドラッグスタイルに持っていくところ、それはオーナーの好みでないことから、おのずとセブンティーズディガーの路線へと変更された。
「このタイヤでドラッグスタイルじゃなかったら、こういうセブンティーズの形にしないとリアエンドとかをまとめきれないなと。で、そもそも僕がこういうチョッパーを昔から凄い好きだったんであとは任せてもらった感じですね」
そこで主人の菊原さんは最初、テールライトにレプリカのフィンチテールをどう付けるかという所から着手していった。リアのデザインさえ決まれば、フロントにはある程度のイメージがあったため途中で手が止まることもない。クレイジーフランクを思わす鮮烈なリアエンドの左右には、その外装に負けないようアグレッシブにマフラーがセットされた。
「後ろの形が決まってそこからプリズミックタンクとツイストスプリンガーを付けてます。マフラーをああやって取り回してるのはクリアランスが気になったからというのもあるんですよ」
ハードテイルとタイヤとの間に生じる隙間を埋めるようにしてマフラーを配備。あとは鉄板を当てたモールディングを施すことで艶やかなラインを入手。が、この全体に尽くしたモールディングが最大の難関で、場慣れした菊原さんをもってしてもここまで貼り込んだ鈑金は初で、「めちゃめちゃ大変」といわしめたセクションだ。
まずは鉄板をある程度の形に切って3Dで曲げたりラインを付けて貼り、それを順々に足してゆく。またそのままでは鉄板のフチが切りっぱなしになってしまうため、そこに丸棒を沿わせて溶接。それを何度も何度も繰り返してようやくたどり着いたのが、このデモニッシュなシルエットである。
鬼気迫るかのセブンティーズディガー。費やされた労力や美感もそうだが、それを涼し気にまとめあげる歴戦のバックボーンが、めっそうもない。
HARLEY-DAVIDSON XLCH 1968 DETAIL WORK
FRONT FORK
‘70年代のツイストスプリンガーを装着。フレームダウンチューブにも徹底したメタルモールディングを施工。
GAS TANK
プリズミックタンクとそれに沿うようデザインされたティラーバーはワンオフ。塗装は新潟のライズが担当。
REAR END
タイヤとハードテイルの隙間を縫うようにマフラーをセット。15インチのインベーダーホイールは一品製作。
FINCH TAIL LIGHT
レプリカのロンフィンチテールをどう付けるか。そのリア周りが起点となって全体へとカスタムは進められた。
SEAT
外装の存在感と融和したシートはスカンク作。タイヤロゴが見えるようにモールディングの一部を中抜きとした。
REAR FENDER
クレイジーフランクを模したオリジナルフェンダー。このミッキートンプソンのタイヤが全ての始まりである。
BUILDER’S VOICE
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