ハーレー ショベルヘッドガーターフォークチョッパー 1979年

H-D SHOVELHEAD 1979
TINY OLD MAN

November 22nd, 2021

カウントを刻む
真芯への配球術

普遍的チョッパースタイルを母体にしながら、各ディテイルにトリッキーな造作を散らしている。それらはあくまでもさり気だが、『タイニーオールドマン』の作風を象徴するものでもある。その、バイクだけではないアメ車からのインスパイアを受けて繰り広げられる世界は、通(つう)の視線をひと掴みに捉えてしまう風韻が漂う。

ハーレー ショベルヘッドガーターフォークチョッパー 1979年

作り手の鳥居さんが向き合ったのは、’79年式のショベルヘッド。イチから一気に仕上げたものではなく、少しずつオーナーの要望を聞いて形にしていったと言う。なのでひと息に完成させるのと比べて、自然と車体全体のバランスを取るのがひとつのポイントにもなって来た。

「最終的にどうしたいのかを探り探り聞きながらバランスを取るのが難しかったかな。別にこのスタイルがウチの王道とかではないと思うけど、しいて言うなら細かい所がそうなんですかね」

ハーレー ショベルヘッドガーターフォークチョッパー 1979年

バイクとアメ車の垣根なくオールドパーツ全般が好きな氏は、そのチョイスで店の『色』が出ているのかもしれないと返答する。そしてパーツに関して今回は、フロントのガーターフォークが基点となって他の作業が進んでいった。メーカー不明のフォークはおそらく個人製作のものとおぼしき一品だったが、その精度は高く、何度も加工することなく一度バラシて組み込む程度で事足りたそうだ。

ハーレー ショベルヘッドガーターフォークチョッパー 1979年

さて次に、同店固有のディテイルを押さえないわけにはいかないだろう。主だった箇所で3点あるが、まずハンドルのグリップを見たい。グリップの縁に真鍮リングをアクセントに加えているのが分かるだろうか。このデザインを踏襲したままハンドルポストの下部と、マフラーエンドにも同様の造作をアブソーブ。

ハーレー ショベルヘッドガーターフォークチョッパー 1979年

要所に取り入れたキックペダルなどの汎用真鍮パーツと、これらワンオフパーツの組合せはあまりにもてらいがない。しかしこの主張することないワンオフパーツがひそかに呼応しあい、全体としてマシンの成熟度を高めている。

「ハンドルポストもちょっとだけ高くしよか言ってあとからこの真鍮のを付けたんですよ。マフラーのエンドも普通にはしたくなかったけどあんま目立たせたくなかったんでこんなシンプルなのにした」

ハーレー ショベルヘッドガーターフォークチョッパー 1979年

そして最終的に、氏にとっては初の試みとなるエイジングペイントを施行。今まではその逆のアンチエイジング的色つやのある塗装を行ってきたが、今回は総量のトーンに合わせてカラーリング。現場感が高いだけに、例え初ものの手法でも訳なく支配下に置いている。

HARLEY-DAVIDSON SHOVELHEAD 1979 DETAIL WORK

ハーレー ショベルガーターフォークチョッパーのハンドル

HANDLE

オーナー持ち込みのハンドルをインナースロットル化。グリップ縁のリングとポスト下部は真鍮でワンオフ。

ハーレー ショベルガーターフォークチョッパーのフロントフォーク

FRONT FORK

メーカー不明のガーターフォークを選択。個人製作の物と推測出来るが精度は高く作り直す必要はなかったと話す。

ハーレー ショベルガーターフォークチョッパーのガスタンク

GAS TANK

シンプルなピーナッツタンクには同店では初となるエイジングペイントを施行。塗装は京都のベーコンが担当。

ハーレー ショベルガーターフォークチョッパーのフットペグ

FOOT STEP

フットペグにヴィンテージのスパイクタイプを採用。シフトステーは単一で作り、オイルタンクはGME製。

ハーレー ショベルガーターフォークチョッパーのマフラー

MUFFLER

ミッドハイのショットガンパイプのエンドには真鍮リングを付加。全体にも散らしたひと手間加えたアクセント。

ハーレー ショベルガーターフォークチョッパーのシッシーバー

SISSY BAR

元々付いていたシッシーバーをわずかに加工。テールランプには保管していたアメ車のバックランプ用を流用。

BUILDER’S VOICE

TINY OLD MAN

住所 京都府宇治市炭山滝ノ元14-2
電話 0774-84-6240
FAX 0774-84-6240
SHOP TINY OLD MANのショップ紹介
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