H-D FLSTF 1994
SUN MOTORCYCLES
コントローラブルでありながら
ラジカルさも覗かせるチョッパー
広島市内でアメリカンカスタムを手がける店といえば、多くのファンがSun Motorcyclesの名を上げるだろう。国産、ハーレー問わず、またチョッパーからバガースタイルまで幅広く手がけているSUNは、あらゆる年齢層のバイク乗りを抱えている。
そんな同店が手がけたエボリューション・チョッパー。マシンについて代表の立岡さんから話を聞いた。
「オーナーからのオーダーは『乗りやすくてカッコいいバイクにして欲しい』というものでした。それと、フロントをスプリンガーにして、ホイールも21インチ化して欲しいという要望があったんですけど、その他はほぼお任せで作らせてもらってます」
要望通り、フロントフォークは4インチオーバーの74スプリンガーレプリカで、21インチホイールに換装された。また、ハンドルはストックをカットし、幅詰めしてコントローラブルな仕様に。タンクは小ぶりな形状ながら最低限の容量を確保できるナローマスタングをチョイスしている。
そして、オーナーが本革にこだわったというシートを経てリアセクションへ。リアフェンダーは丸みのあるアイアンスポーツのレプリカボブフェンダーを採用。そのラウンドに合わせるように緩やかなラインを描いているシッシーバーはワンオフで製作されたものだ。
これら外装の変更により、元はファットボーイだったベース車両は、ストックと打って変わってナローなチョッパーへと変貌を遂げている。
ユニークなパートで言えば、ワンオフのエキゾーストにも注目したい。フロント側のパイプがストレートにリアへと伸び、リア側のパイプに詰め寄り最後は緩い角度でアップスイープ。リアのパイプはそれを追い抜くようにこちらも緩やかなラインで、しかし別角度でフィニッシュされた。
「少し長めのスプリンガーを組んだので、それに合わせて車体全体のバランスを取っていきました。マフラーもその一環で、全体のバランスを見ながら少しずつ詰めていって、今の長さに落ち着いたという感じですね」
ディテイルの各所にちょっとした『外し』の効いたパートを用意することで、ほんのりラジカルな香りを漂わせるチョッパーに仕上げた今回のカスタム。それでいて、オーナーの『乗りやすいバイク』という要望に応え、ステップ位置やシフターなどをその都度合わせてリメイクしたこの一台は、SUNらしい機微と心意気を感じさせるマシンである。
(写真・文/マツモトカズオ)
HARLEY-DAVIDSON FLSTF 1994 DETAIL WORK
HANDLE
ハンドルはH-DのFL系用純正のハンドルをカットし幅を詰めている。グリップはビルトウェル製をチョイス。
FRONT WHEEL
21インチ化されたフロントには、オランダのMCS(Motorcycle Storehouse)製ミニディスクキットを。
CARBURETOR
キャブはS&S製Eキャブ。フィンドタイプのFORK製ハイフローキャブカバーがアクセントとして活きている。
SEAT
オーナーこだわりの本革シートを実現させてくれたのは広島市のレザー専科、フレーバーレザーワークス。
MUFFLER
ラジカルな軌道を描く前後パイプ。そのエンド部、そしてリアフェンダーエンドとの長さのバランス取りが絶妙。
FENDER
フラットフェンダーやサイクルフェンダーでなく、ボブフェンダーを選ぶあたりの『外し』感が立岡さんらしい。
BUILDER’S VOICE
SUN MOTORCYCLES
住所 | 広島県広島市西区横川新町2-1 |
---|---|
電話 | 082-296-0330 |
FAX | 082-296-0330 |
SHOP | SUN MOTORCYCLESのショップ紹介 |
営業時間 | 10:00 ~ 19:00 |
定休日 | 火曜日 |