H-D SHOVELHEAD
BIKE GARAGE KOKORO
旧約聖書に記された海獣
天下無双の『リバイアサン』
日本全国どこへでもカスタムバイクで走っていく。止まる曲がるは当然として、スピードが出せて雨の中でも目的地に向かうオーナーに合わせてしつらえたトップシェルフ。
与えられたハードルが高いほどにその実力を炸裂させる『バイクガレージココロ』のマシンに、見せかけの小細工はない。ビルダーの内田さんが全神経を傾けるのは、リアルに走るための絶美なトータルバランスのみだ。
ストリートユースを前提に、ショーカスタムとしてつまびらかに仕上げた一台。どのディテイルを見ても一点の曇りもなくまばゆく発光するが、中でもイチから創り上げたフレームワークが見ものだ。
一品製作でしか成しえない均整の取れた直線と、要所に織り交ぜたしなやかな曲線が一体となったラインを始め、フレーム中央を縦に走る補強パイプ。更にエンジンハンガーの造作などから作り手の本気がビリビリと波動してくる。
また配線も徹底し、フレーム内を通したりフレーム下部に集約するなどして外からは目に付かないように処理。しかし雨水が入らないように密封性を高めるのにも限度があり、密封すれば今度は結露で錆びやすくなる恐れがある。だがその辺を踏まえて、抜かりなく水はけ策などが講じられた。
「あとはエンジン関係でいうとスプリットロッカー。DCチョッパーの物を入れてオイルラインはイチから作ってます。ラインの根元の部分も全部ですね。これを使おうとしたら絶対ワンオフするしかないんですよ」
氏は軽く話すが、このセットアップで快調に走れる状態に持っていくことは簡単じゃない。が、その辺をさらりといなす辺りにビルダーとしての器量が透けてのぞく。それは外装のガスタンクやフェンダー、ステーなども同じこと。
一見汎用品を加工した物に映るが、よく見れば次元の違う作りであることに気付く。これらは全て妥協なく仕込んだもので、ひとつのパーツに付き10点前後の部品を使って完遂。さらりと自然な装いに見える姿の裏には、知られざる労力がとっぷり潜んでいる。
「例えばガスタンクの上のオーナメント。こういうのって自然に溶け込んでれば無いとダメな物になってくるんです。無意味に付けるんじゃなくて無いとダメな物。これが凄い重要だと思います」
どんな小さなパーツがひとつ欠けてもこの完成形にはならない。必然的な調和を見せる無二のシルエットには、こだわりなんて言葉じゃ片付けられない作り手の、暴発寸前の気概が染み渡っている。
HARLEY-DAVIDSON SHOVELHEAD DETAIL WORK
FRONT FORK
フォークにはSHOWA製39φをセット。ボトムケースは滑らかにスムージングされ真鍮リングがアクセントに。
GAS TANK
フレームに合わせて製作したガスタンク。トップにはオーナメントを装着。これが付いて初めて全体が完成する。
ENGINE
DCチョッパーのスプリットロッカーを採用し、オイルラインをワンオフ。エアカバーはMCデン×FORK製。
FOOT CONTROL
フットコントロールは削り出して仕上げた一品物。シンプルなデザインにやわらかな曲線美を効果的に用いる。
MUFFLER
ショートマフラーを設置。ワンオフのオイルタンクやエンジンのオイルラインなど精緻かつテクニカルに構築。
REAR FENDER
フェンダーとステーも単一で造作。端麗なデザインを始めフレームとの接合部にも同店の手並みが活きている。
BUILDER’S VOICE
BIKE GARAGE KOKORO
住所 | 山梨県山梨市下栗原381 |
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電話 | 0553-22-9996 |
FAX | 0553-22-9996 |
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