ハーレーダビッドソン パンヘッドチョッパー FL 1955

HARLEY-DAVIDSON FL 1955
SATISFACTION

August 14th, 2020

細く小さくシンプルに貫く
真面目なオールドスクール

これまでロングフォークにカスタムした国産アメリカンに乗っていたオーナー。初めてのハーレーはパンヘッドに決めていたというその彼が、記念すべきファーストハーレーの製作を依頼したのは大分の老舗、『サティスファクション』。

ハーレーダビッドソン パンヘッドチョッパー FL 1955

ビルダーの山口さんは、その当時の思いをこう話してくれた。

「オーナーは背が高くていわゆる『細マッチョ』。彼に合わせて細く小さく、キュッとしたスタイルにしようと考えました。このバイクに関しては特に『真面目に』きっちり作ろうっていう思いがありましたね」

ハーレーダビッドソン パンヘッドチョッパー FL 1955

山口さんの言う『真面目』とは、気をてらわぬトラディショナルなオールドスクール・チョッパーを示す。なるほど、これを見てその意志が如実に反映されたマシンだと納得する。

フロントエンドにはHOG KILLERS製35mmのナローツリーと現行スポーツスターのフォークを用い、走行性を司るサスペンションとしての信頼性とナローなスタイリングの両立に成功している。

ハーレーダビッドソン パンヘッドチョッパー FL 1955

一方、エンジン&ミッションはストック。このセクションで目を引くのは、銅管で作られたオイルラインだ。無機質なエンジン周りに飛び込んでくるこの有機的な色は、外装に引かれたゴールドラインやブラスのエアクリーナーカバーらと相まって、車体に絶妙な差し色を呈している。

乗り味にもこだわった。

「フォワードコントロールでは乗り手の足が伸び切っちゃうでしょ。やっぱりチョッパーは足を曲げて悠々と乗りたいので、フットコントロール系は少し後ろに下げました」

ハーレーダビッドソン パンヘッドチョッパー FL 1955

そして座り心地にも気遣いが行き渡る。

「シートも厚めにしてるんです。薄い方がかっこいいとは思うけど、長い時間乗ってるとお尻痛くなっちゃう。だから厚めに作ったんです。大分~熊本の往復くらいは頑張れちゃう仕様ですね(笑)」

タンクやリアフェンダーなどの外装のペイントは、’60~‘70年代チョッパーにありがちなサイケデリックなものを避け、落ち着きのある濃い目の赤茶を黒で締めるという、飽きのこない色彩でまとめる。

ハーレーダビッドソン パンヘッドチョッパー FL 1955

フロントエンド、ナローなハンドルバー、ピーナッツタンク、ショートなリブフェンダーと、製作前から描いていた「細く小さく、キュッとした」スタイリングは定番ながらも秀逸なパーツチョイスで結実された。

冒頭、山口さんが語っていた『真面目』というテーマ。それをまさに体現したと言える一台ではないだろうか。

(写真・文/マツモトカズオ)

HARLEY-DAVIDSON FL 1955 DETAIL WORK

ハーレー パンヘッドチョッパーFL1955のハンドル

HANDLE

ハンドルはステンレス製のワンオフ。インナースロットル化されスッキリした印象に。ミラーはビルトウェル製。

ハーレー パンヘッドチョッパーFL1955のフロントホイール

FRONT WHEEL

フロントは21インチにミニドラム。リアはリジッドということでFサスには信頼性の高い現行品を選択。

ハーレー パンヘッドチョッパーFL1955のガスタンク

GAS TANK

ピーナッツタンクのキャップ位置を変更、トンネル加工等を施しモディファイ。シンプルなH-Dの文字が映える。

ハーレー パンヘッドチョッパーFL1955のシート

SEAT

福岡の『スタイル』が製作したシート。赤のステッチと革質を変えた側面、シャープなシェイプが美しい。

ハーレー パンヘッドチョッパーFL1955のマフラー

MUFFLER

マフラーは低い軌道でシンプルなパイプを求めた結果、パウコ製をチョイス。蛇腹でビンテージ感を演出した。

ハーレー パンヘッドチョッパーFL1955のシッシーバー

SISSY BAR

シッシーバーはワンオフ。デザインはデュオテールありきで製作。テールを囲むようなラウンドしたフォルム。

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