H-D FXSTS 1990
REDNECK KUSTOMS
もう俺のなかには
この形しかなかった
ハーレーのエボリューションエンジン時代に光彩を放ったモデルである『スプリンガーソフテイル』。1988年にリリースされたこの車種は、さかのぼること1948年のFLモデル以来、実に40年振りにスプリンガーを標準採用した車種として、当時注目を集めたモデルだ。
その最大のアイデンティティとなるスプリンガーはそのままに、更にソフテイルフレームにも大幅な手を加えることなくシャープなフォルムに仕上げたのは、茨城県のレッドネックカスタムズ。
「パフォーマンスマシン製のホイールを入れたいというところから始まってます。それと、元々エンジンがポリッシュしてあったんで、そうなってくるともう俺の中にはこのカタチしかないなって」
店主の山内さんの頭の中でパッとひらめいた像を元に、前後21/18インチのホイールを押さえた上でカスタムは進行。要所のこなれたワンオフセクションが各々で燦然と輝き、最終的にそれらの帳尻を無理なく合わせることで、全体の完成度は抜く手も見せずに高められている。
まず、シート周り。エッジとアール形状が同居したスタイリッシュなシートレールは、鈑金で成形した板をフレームに溶接したもの。デザイン的に真っ直ぐ過ぎるとボッテリ感が出てしまうため、出来るだけシャープに見せるよう工夫したと言う。
「あとテールの処理なんかも気に入ってます。フェンダーにテールランプを付けると、やっぱりそこだけ『乗せてある感』が出てしまう。そこをどうすれば一体感が生まれるのかなって」
フェンダーのアールの流れを受けて、そのままテールランプの一部をカバード。車体のダークレッドの色味も継ぐことで、懸念していた浮いた感じは払拭された。他にも、太さの違う鉄棒を使い分けたリアのフェンダーステーなども同店ならではの造形だろう。
太いのは約13ミリの棒からステーの外側を始めて、内側へ行くほどに10ミリ、8ミリ、そして最後は6ミリほどの棒で完遂。径の違う素材を組み合わせることで、デザインに繊細さと深みが与えられている。
マフラーも一筋縄ではいかない。血が通うかのスインギーなラインは足に当たらない実用性を考慮したもので、いったん内側へとゆるやかに絞られターンしたそれは、山場のひとつにもなっている。
「もう全体はこういう形しかないんじゃないかなって。そんな風に作っていったんですけど、結局オーナーに喜んでもらえればそれが一番ですね(笑)」
HARLEY-DAVIDSON FXSTS 1990 DETAIL WORK
FRONT FORK
ポイントとなる純正スプリンガーをブラックアウト。フロント周りはブラックとシルバーのコンビで統一。
GAS TANK
マスタングタンクに自ら塗装を施す。ダークレッドベースにピンストと焼きリーフでわびさび的テイストを演出。
SEAT RAIL
一番気に入ってると言う箇所はフレームに鉄板を貼り合わせて成形。アールとエッジが駆使されたセクション。
MUFFLER
内側に寄せた後に開放するデザインは足避けを兼ねたもの。美しいラインを継いだエンドはターンアウトタイプ。
REAR END
フェンダーとの一体化を狙ってスパルトテールの一部をカバード。ステーは数種類の丸棒を使い分けて製作。
REAR WHEEL
18インチのPM製ホイールに同じくPM製4ポットキャリパーを装着。ウインカーはトランプサイクル製。
BUILDER’S VOICE
REDNECK KUSTOMS
住所 | 茨城県石岡市茨城1-4-35-1F-5 |
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電話 | 0299-56-6566 |
FAX | 0299-56-6567 |
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