HAVE FUN!! フラットダートトラックのリーファンカスタムバイク

HAVE FUN!!(LIFAN 150cc)
GARAGE DUCK TAIL

January 8th, 2019

アルミで引き離す
会心の溶接プライド

このバイクを語る前に、『HAVE FUN!!』の説明をしなければ先へは進めない。チーターカスタムサイクルズの大沢さんが発起人となって、「こんなエンジンでこんな風にしてみんなで遊んだら楽しいんじゃないの?」、と結成されたゆるめのサークルがそれで、何より『楽しむこと』を第一に掲げている点がポイントだ。

HAVE FUN!! フラットダートトラックのリーファンカスタムバイク

そしてここでは、そのメンバーであるダックテイルの渡邉さんのカスタムをフィーチャー。150ccのリーファン製中華エンジンを搭載したフルスクラッチの正体に迫っていきたい。

「まず作るからにはこれまでに無い物を作らないと意味がない。あとは昔からフラットトラックが好きな人にも見て唸って頂きたい(笑)。コンセプトはそんな感じです。フレームの作りはもう少しシンプルにもいけたけど、ちょっと変化を付けたかったんで」

HAVE FUN!! フラットダートトラックのリーファンカスタムバイク

飾りの無いレーシーなクロモリ製フレームワークに、アルミの外装を載せたギミック無しの真っ向勝負。鈑金やペイントで茶を濁せない、逃げ場のないシチュエーションにこそ渡邉さんの技は覚醒する。

「今はどのショップもアルミをいじれるんだろうけどその中でもボク得意だよって。スイングアーム作ったところもそうですよね。最終的に色を塗っても良かったんですけどせっかくアルミだからっていうところです」

HAVE FUN!! フラットダートトラックのリーファンカスタムバイク

根本的に、溶接技術が無ければアルミの場合は面を出すことが難しい。特にコフィンタンクなどその最たる例で、ここまで歪まず綺麗にまとめ上げる手練れは稀だ。本人が得意と言う以上に、物を見ればそれは一目瞭然である。

「まあこれがウチのプライドなのかなって。でも特別何か練習をしてきたわけじゃないです。ずっと本番ですから。もしあるとすれば、長年溶接やってるメーカーの仕事と比べてまだまだと思ってやってきたのが良かったんじゃないですかね」

HAVE FUN!! フラットダートトラックのリーファンカスタムバイク

加えて、感度の高い全体のデザインだ。走るために必要な箇所のみで構成された、足し算ではない引き算のボディシェイプには、手放しの『美』が宿る。しかもそれに全開をくれて疾走するロマンティックに、空気の一粒ずつが、光を含んでぴかぴかと呼応する。

HAVE FUN!! フラットダートトラックのリーファンカスタムバイク

「楽しく作って出来上がったらみんなでワイワイ乗りましょうって。全部そこなんですよ。だからベースにしたエンジンも負担にならないように低コストの中華製ですし。これからもこのレースを楽しんでいきたいですよね」

HAVE FUN!!(LIFAN 150cc) DETAIL WORK

HAVE FUN!! ガレージダックテイルのフレームネック

FRAME NECK

クロスラインの見せ場を設けたフレームはクロモリパイプで製作。得意の溶接技術を駆使したフルスクラッチ。

HAVE FUN!! ガレージダックテイルのガスタンク

GAS TANK

鉄ではなくアルミで作ったガスタンク。熱による歪みを押さえたフラットな表面処理にビルダーの腕を見る。

HAVE FUN!! ガレージダックテイルのフレームワーク

FRAME WORK

若干めんどくさいことをして変化を付けたというフレームワーク。全てのパートが無駄なく機能的に配される。

HAVE FUN!! ガレージダックテイルのリアカウル

REAR COWL

フレームと誤差なくツライチで載るリアカウルもアルミでワンオフ。流れるシェイプがスピード感を醸す。

HAVE FUN!! ガレージダックテイルのフットコントロール

FOOT CONTROL

細部を見るほどに丁寧な処理が現れる。リンケージやステップ周りは質感の高いメカニカルな作りで構成。

HAVE FUN!! ガレージダックテイルのスイングアーム

SWINGARM

スイングアームもアルミを使ったワンオフ。フロントの繋ぎ目や各受け口などその仕上がりは至って自然だ。

BUILDER’S VOICE

GARAGE DUCK TAIL

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SHOP GARAGE DUCK TAILのショップ紹介
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