HARLEY-DAVIDSON FXST 1988
FREE STYLE CUSTOM & CHOP
愛情をもってした
ソフテイルの終着点
エボリューションのソフテイルモデルがベースである。一見したところ、リジッドフレームを使ったカスタムに映るが、よく見ればソフテイルフレームに丹念に手を入れた一台であるのが分かる。ここまでリジッドライクに仕上げたソフテイルもまれだ。
横から見た絵面はもはやリジッドフレームのそれだが、聞けば主に3か所のモディファイで変貌を遂げている。まず一つ目に、メインチューブとダウンチューブをつなぐサブフレームのカットだ。そしてそれに付随したガセットも取り払うことでクリーンなネック周りを入手した。
次に、シートレールを一段下げてリメイク。そのラインに合わせてスイングアームを加工し、最後にリアセクションのサブフレームのカットに続く。通常はサンダーで切り離した後に切断面を均して終わらせるものだが、同店の手口はかなり巧妙。カットしたその場所を跡形もなくスムージングした上で、シートレールのパイプと一体化させ、そのままスイングアームへ違和感なく一本の直線でつないでいる。見た目のデザイン同様に、ソフテイルフレームをここまで愛情を持って仕上げるそのスタンスには脱帽だ。
「ぱっと思いついた感じですよ(笑)。サスの動きも何度も確認して作ってるんで普通に乗り味も良いし、まあ見た目もスッキリしますし。あとは、リブも見せ場になりますかね。ヘッドライトの上にある5つのリブに合わせてタンクを作ったりとか」
店主の山下さんはヴィンテージのヘッドライトありきで、同じデザインでタンクにリブを入れたと言う。あらかじめ用意しておいたタンクに、丸棒をフライスで落として左右に溶接。そして更に、要所に配した真鍮パーツがシックなシルバーカラーに華を添える。
「お客さんが派手なのは嫌いで、高級感を出したいということだったんでポルシェの純正カラーで塗ってます。あとは真鍮のパーツを使って、上品なイメージを邪魔しないようにアクセントに加えた感じ」
単なるソフテイルベースのカスタムでないのは明らかだが、色味の選定や目標にした上質な佇まい。オーナーが初ハーレーで乗る一台だというフレッシュなエピソードが、話を聞くほどにぽんぽんと飛び出す。
「初めてのハーレーなんで、普通に乗れて故障しない、カッコいいハーレーみたいな感じですね(笑)」。晴れやかにそう語る店主の生業は、夢を売り、その夢に翼をもたせることである。
HARLEY-DAVIDSON FXST 1988 DETAIL WORK
FRONT FORK
フォークにレプリカの74スプリンガーを装着。同店の手掛けるカスタムでは使用頻度の高いパーツだそうだ。
GAS TANK
スポーツタンクの両サイドにはそれぞれ5つのリブをセット。グラフィックはタトゥーアーティストによるもの。
MUFFLER
特別なことはしてないと言うマフラーはリップルパイプを溶接して仕上げる。キックキットはリベラ製を採用。
SOFTAIL FRAME
サブフレームのカット後にシートレールと一体化したパイプをジョイント。スイングアームとの連携が見事。
REAR FENDER
リブフェンダーの後端に真鍮板を叩き出したオーナメントを取り付け。切りっ放しではなく折り返して成形。
REAR END
ノーマルの16インチホイールをブラックカラーで引き締める。ブレーキはシンプルなカスタムテック製を使う。
BUILDER’S VOICE
FREE STYLE CUSTOM & CHOP
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