HARLEY-DAVIDSON FLH 1966
MOTORI GARAGE
懐深くえぐり込む
たった2割のスパイシー
もうすがすがしいほどのチョッパーだ。それに、安定感も半端じゃない。『ガツッ』と芯を捕らえて外すことのないフォルムは、モトリガレージのリーサルウェポン。ある意味、天下一武道会的なカスタムファイトよりも破壊力がある。
「ブルーは決まってたんです。あとはエンジンがアーリーショベルで、ボバーっぽいスタイルっていう。パンの分割タンクも、FLのリジッドフェンダーの後ろ側をカットしたボバーフェンダーもそうだったかな。だからわりと形になるのは早かったですね」
明確なビジョンを持ったオーナーの意向を踏まえて、あとは作業するだけだったと店主の鳥居さんは言う。イメージする写真や動画を手に、こうして欲しい、という要望を受けて氏は抜群のリアクションで応えている。
「完全に僕にお任せだったら、きっとフロントフォークは今より短いのになってたはずです。でもオーナーが希望する写真を見たら、だいたい4インチオーバーぐらいだった。どちらかというと最初はそれに反対派だったんですけどね(笑)」
最終的に完成形を見れば、これもありだったな、とにこやかに語る。僕にはない選択肢だった、と下手にカッコつけることなく本音を付け足すのも忘れない。
「大変だったのはカスタムというよりベース車探し(笑)。そのときはアーリーが高騰してて全然買えなくて、いろんな所に声かけてようやく手に入れた感じですね」
車両さばきに定評のある同店でも難しかったのだから余程のことだろう。とはいえ、はたから見ればハードルの高い、『モトリ基準』をクリアしたバイクのみを扱うスタンスも大きく影響しているはず。でもだから、ありがちな、どうにもならないブツを掴むことはまずない。
ざっと外装も追いたい。フォークは41φのFLグライドで、ハンドルはラベルごと’73年以降の純正ショベル用をセット。レプリカスターハブの前後21/16インチホイールに、タンクは’48~’50年のパンヘッド純正である。この純正品とパウコなど社外品との組み合わせもいつものごとくスマートだ。
「わりと指定が多かったですからね。しっかりビジョンが出来上がってたので、それに味付けをしていっただけというか。だからこれはもう、お客さんのセンス8割、僕らの味付け2割みたいなものですよ(笑)」
でも、肝心なことがある。それは、センスの良い人は、同じくセンスの良いところに集まる習性がある、ということ。
HARLEY-DAVIDSON FLH 1966 DETAIL WORK
HANDLE
経年劣化した鈍い輝きが味わい深いハンドルは、’73年以降のショベル純正品。右のブラックラベルも当時もの。
FRONT FORK
41φのFLグライドフォークをオーナーの希望で4インチオーバーに。ヘッドライトはユニティS6を装着。
GAS TANK
‘48~‘50年のパンヘッド純正分割タンクを惜しげもなく投入。最初から決まっていたブルーでペイントされる。
ENGINE
ストック1200ccのアーリーエンジンにはEキャブが付く。シンプルなステップステーなどはワンオフで製作。
REAR FENDER
リプロのFLリジッドフェンダーの後端をカットしてボバーフェンダー化。ガラスリフレクターがアクセントに。
MUFFLER
間違いのないパーツチョイスのアップスイープフィッシュテイル。パウコ製をベースにラインを微調整。
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