ヤマハ SR500 1980のロングフォークチョッパー

YAMAHA SR500 1980
G CLASSIC CUSTOM PAINT

December 14th, 2017

美的音感を養う
嘘のないベアメタル

まず前提に、ペイントショップが手掛けた一台だ。で、この旨味エキスをたっぷり含んだスタイリング。カスタム屋顔負けの出来栄えである。いや、というより、カスタム屋の側面を併せ持ったペイントショップと呼ぶ方が正確だろう。

ヤマハ SR500 1980のロングフォークチョッパー

キッカケは、ペイントをこなしてゆく過程で自然とカスタムのオーダーが増えていったことだそうだ。ちなみに、普段から多くのプロショップが手掛けたペイント前の、つまり加工跡が剥き出しの『素』の状態を扱う仕事上、目の肥え方は半端ではない。いわば、良い音に触れて育った子供に美的音感が身に付きやすいのと同じ論法である。なので、ペインターがカスタムを手掛けた場合、ストライクゾーンから外れることはまずない。

ヤマハ SR500 1980のロングフォークチョッパー

「最初これ作ったのは、そもそもウチがボバーのイメージが強かったんですね。それで、そこだけじゃないよっていうので(笑)。それを見せようかなというんで、ロングフォークを作ったんです」

ヴィンテージらしいフォルムに、その年代の空気感を塗装でプラス。しかしそこで終わらせるのではなく、ちょっとお茶目な感じを入れたと店主の赤坂さんは言う。

「エンジンのフィンとかですかね(笑)。これ結構目立つんですよ。もうひたすらベルトサンダーで地道に削っていった」

ヤマハ SR500 1980のロングフォークチョッパー

他にも、目いっぱい下げた車高と、フレーム表面をなめらかに仕上げたスムージングも見逃せない。まず車高は、リアショック上側のマウント位置をいじりたくなかった為、260mm長のショックと、リアフェンダーをタイヤと干渉しないギリギリのクリアランスで調整。そしてスムージングは、ネック周りとダウンチューブの溶接跡を重点的に処理。結果的にノーマルながら、もはやラグ風カスタムフレームの様相を呈するほどの変わりようである。

ヤマハ SR500 1980のロングフォークチョッパー

中古で入手した6インチオーバーのガーターフォークとシッシーバーのデザインも見事な相性だ。また、ホイールに張り巡らしたツイストスポークとクリーンなシート下など、とにかく外し玉の無いセットアップで固められている。

ヤマハ SR500 1980のロングフォークチョッパー

そして極めつけは、マフラーに施したフレイムスだ。実はこれ、塗装ではなくブラストで描いたデザインで、メッキから上がって来た物をマスキングしてブラストを当てたものだ。「結構な勇気ですよ、失敗したらアウトみたいな(笑)」、となかなかリスキーな手段ながら、得られるそれは通説通りにハイリターン。フィナーレを飾るにふさわしい一手である。

YAMAHA SR500 1980 DETAIL WORK

ヤマハ SR500 1980のフロントフォーク

FRONT FORK

フォークは中古で手に入れた6インチオーバーのガーターフォーク。丁寧に下地を作り車体と同系でフルペイント。

ヤマハ SR500 1980のフロントホイール

FRONT WHEEL

フロントはDIT製21インチをセット。やり過ぎず静かに主張するツイストスポークがアクセントになる。

ヤマハ SR500 1980のガスタンク

GAS TANK

タンクはスチールでワンオフし、当時のシーンを想像してゴールドペイントにグリーンのフェードを入れる。

ヤマハ SR500 1980のフットコントロール

FOOT CONTROL

足回りをワンオフし車体と同じゴールドで塗装。マフラーに入るブラストを当てて描いたフレイムスが決め手。

ヤマハ SR500 1980のフェンダーステー

FENDER STAY

フェンダー形状に合わせたステーの下に更に、シッシーバー一体のステーがゆるやかなアールを描いて固定される。

ヤマハ SR500 1980のシッシーバー

SISSY BAR

デザインは作ってる時のノリで決めていくと言う。荷掛フックを設けた下側のステーなど精緻な作りが見もの。

BUILDER’S VOICE

G CLASSIC CUSTOM PAINT

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