HARLEY-DAVIDSON EL 1947
JAM’Z GARAGE
愛した空間で芽生える
ヴィンテージの一輪
そっと、ずっと、そばに置いておきたくなるような趣がある。煌びやかなカスタムとは対照的な、落ち着いた色味のレッドカラーに、数十年前の歴史をそのまま物語るかの鉄の風合い。それは、緑豊かな景色を眺めるように目にやさしい。
どのカスタムショップにも『色』があるように、この一台も、ジャムズガレージらしい装いにまとめられている。FLの中身を持った、’47年式EL。お客さんの体型に合わせて軽く、シンプルに、そしてボバースタイルをイメージして製作したものだと代表の新美さんは言う。
「ヤレた感じが好きな人だったので、なるべく雰囲気を壊さないように。あとポイントは、僕の中ではハンドルかな。ワンオフで作ったんですけどイメージ通りというか、すごく気に入ってます」
のどやかに語る氏は、ボバーといえば特徴的な部位はハンドルとリアフェンダーというのが自分の中にあり、今回はハンドルでそれらしさを出したそうだ。また、プロショップからの信頼も厚い得意のエンジンワークに話を振ると、相変わらず控えめな、『らしい』返答である。
「得意というか好きですね(笑)。これは特別すごいことはやってないです。リンカートキャブが使いたいということだったから、あんまり過激にするとフィーリングがかなり変わるし、他のキャブの方が良いってなっちゃうと思うんで」
外装もジャムズ節全開だ。特に、ステップ周りやトップティー、シッシーバーに施したメッキでも塗装でもない黒染め処理がアクセントに効く。実際にやってみて結構面白かったとは新美さんの弁である。
そしてフロントは74スプリンガーで、市販のヘッドライトやライザーは全体に馴染むよう表面の艶を落として装着。マフラーは珍しいパターンで、リアエキゾーストのみをワンオフでマウント。しかし色味の違いや、わずかに上方へ外した角度など辻褄合わせがやはりとびきりだ。
また年代物のフラットフェンダーは、穴だらけだった物を形が良かったことからそのまま採用し、市販のテールライトやウインカーは全体の雰囲気に合わせて同じくボディをこすった上でセットする。
なんていうのか、安定感が鮮やかだ。ヴィンテージパーツを駆使するでもなく、淡々と創り上げた一台には、熱狂者特有の光が帯びる。そして、どのショップも気軽にヴィンテージラバーを語れる時代だからこそ、その光が心地よく胸に響く。
HARLEY-DAVIDSON EL 1947 DETAIL WORK
HANDLE
ボバースタイルといえばハンドルとリアフェンダーが特徴部位というのが氏の頭にあり、ハンドルをワンオフ。
FRONT FORK
フォークはスタンダードに74スプリンガーを選択。ヘッドライトは全体の雰囲気に合わせ艶を落として装着。
ENGINE
ストロークを長くしたエンジンは1340cc。特別なことはせず、カムを換えてバランス良く組んだものだそうだ。
FOOT CONTROL
ステップ周りはワンオフで黒染め処理を施行。ハンドメイドでの加工物は氏にとって勝手知ったるメニューだ。
MUFFLER
同店では珍しくリアのみワンオフで製作。色味やフロントと合わせない装着角度など、こなれた感性が現れる。
REAR END
年代物の穴が開いたリアフェンダーにVツイン製テールライトを付ける。シッシーバーの黒染め処理がポイント。
BUILDER’S VOICE
JAM’Z GARAGE
住所 | 愛知県豊川市御油町米野21-1 |
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電話 | 0533-56-2688 |
FAX | 0533-56-2688 |
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営業時間 | 10:00 ~ 19:00 |
定休日 | 月曜日 |