HARLEY-DAVIDSON SPORTSTER
BIKE GARAGE KOKORO
レーサーではない
13番目のストリートリーガル
「レーサーのKRと、’20年代のボードトラックレーサーの要素を入れつつ作った感じです。まあ気を遣うのはいつも言うようにバランス。エンジンが新しいからフレームだけ古く見せてもどうかと思うし、いろんな箇所を違和感なくまとめるのが一番難しいですよね」
ハーレーの市販レーサーだったKRのボディシェイプを参考に、また、スポーツスターエンジンのモダンな造形に調和するよう配慮して製作されたマシンである。
代表内田さんの大好物であるエンジンワークは、自ら参戦するドラッグレースで使ったエンジンの腰上を流用したもので、圧縮比は9.5:1のハイコンプ仕様。ワイセコピストンにアンドリュースのN4カム、1200Sのツインプラグを装着し、排気量は1218ccでセットアップ。カスタム屋でありながら人一倍エンジンへの探究心が強い氏にしては、比較的ライトなスペックでまとめられた。
さて、KRフレームに倣ったソリッドなラインも目覚ましい。フロントのシングルダウンチューブは製作途中で思い付いたものらしく、この箇所特有のボテッとした印象を取り除きたかったところピタリと浮かんだアイデアとのこと。スポーツスターの鬼門となる部位を鮮やかに料理する腕は、見惚れるほどにスマートだ。
ネック周りやシート下のラグ加工も見逃せない。遊びのつもりで入れた部分だそうだが、遊びと言うには語弊があるだろう。なんせ完成度が高く、遊びの域を超えてしまっている。あらかじめ成形しておいたラグパーツをフレームパイプにサンドイッチ調に挟み込み、表面をザラついた鋳物風に処理。オールドタイムなエッセンスが全体にやさしく溶け込んでいる。
タンクはアルミのワンオフで、中央のオーナメントもアルミで製作。これはクリア塗装のみのヘアラインの状態でマウントしたかったからで、他にも、往年のレーサーがモチーフゆえ、軽量化を図る意味でアルミ材が要所で適用される。
そして、ハンドル右側、マスターシリンダーの下に取り付けたヘッドライトの位置も面白い。曰く、ゼッケンプレートに付けるのが嫌だったのと、まだ皆あまりやっていないという理由で選んだ場所だ。全体にボヤけて目が行きにくいと話す通り、確かにライトがまるで周りとカメレオンのような同化を見せている。
第13番。KRタンクをオマージュしたオイルタンクの上に付く、コーションプレートに刻まれた数字である。これは、ココロがこれまで手掛けたフルカスタムの、歴代の通し番号。スペシャルの証だ。
HARLEY-DAVIDSON SPORTSTER DETAIL WORK
HEAD LIGHT
カメレオンのような同化とはこのことで、ライト位置に注意しないと見落としてしまうほどの収まりの良さだ。
FRONT FORK
一時は倒立フォークも考えたが全体のバランスを加味し、思い切ってクラシカルな74スプリンガーを装着。
GAS TANK
タンクはアルミのワンオフで、中央のオーナメントも同じくアルミ製。クリアのみでヘアラインの肌を露出。
MUFFLER
レーシングマフラーのテーマに沿いターンアウトのショートタイプに製作。あえてつなぎ目を残したステン製。
LUG FRAME
フレームパイプに用意しておいたラグをサンドイッチ状に挟み、特有の表面処理を施行。ネック周りも同様だ。
REAR END
ループ状のラインはKRフレームを踏襲したもの。ステーマウントやアクスル周りなど丁寧な作りが行き届く。
BUILDER’S VOICE
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