ビューエル サイクロン M2のチョッパーカスタム

BUELL CYCLONE M2 SPCN
NAVY’S CUSTOM CYCLE

September 4th, 2017

どう見せるかの前に
たったひとつの宣誓

地元茨城や福島のカスタムファンを根こそぎ魅了するショップだ。代表の紺野さんは、自分が口にした言葉や行動を軽んじない、今どき珍しいドシリと構えた店主である。

ビューエル サイクロン M2のチョッパーカスタム

「最初オーナーさんからオーダーを受けたのは、これでドラッグレースを走りたいと。でも、付けたいと言うパーツに対応していったら全然ドラッグ寄りじゃなくなったんですね。それで方向性を変えざるをえない状況になった時に、今度はロー&ロングのスタイルにしたいと。あの、ローライダーの自転車ありますよね? シルエットはあれがベースになってます」

ビューエル サイクロン M2のチョッパーカスタム

なるほど、確かに言われてみれば、カチ上がったハンドルや腰深く落としたシート位置などはローチャリを彷彿させるものだ。そこにきて、ひと筋縄ではいかないデザイン性の高いメタルワークである。ともすれば、バランスが取れず野暮ったくなりがちなローチャリスタイルを、事も無げにまとめる腕が見事だ。

ビューエル サイクロン M2のチョッパーカスタム

「ポイントはフロントブレーキのシステムかな。これ、普通のマスターシリンダーは使ってなくて、ワイヤー引きで2つのマスターを駆動させてます。シート下にあるやつがそれ。最初は今のPMキャリパーじゃなくてISR製だったからパーツが無かったんです」

発端は、V-ROD用の倒立フォークを付けたいという依頼からだった。それに6ポットのキャリパーをダブル掛けで装着したいということになり、それだと汎用のマスターではボア値が足りない懸念が浮上。そこでマスターを二つ付けることで対処することにした部位である。

ビューエル サイクロン M2のチョッパーカスタム

やわらかな曲線と直線が同居したタンクやフェンダーの丹念な作りに始まり、パイプを重ねたハンドルやシッシーバーのデコレーションに用いたロウ付けなど、見るほどに新鮮な発見がある。素人目にも手が込んでるのが明らかなそれを訊ねればしかし、それほど大変じゃなかったですよ、とサッパリ。要は、物作りが純粋に好きなのだ。

アルミパイプを使ったメカニカルなガソリンとオイルラインも見るほどに高揚する。それをマウントする手法もタイラップではなくボルト留めと、細部への配慮も忘れない。いや、きっとはなから忘れてなんかいないはずだろう。

ビューエル サイクロン M2のチョッパーカスタム

ビッカビッカのショーバイクだ。でも同店では、『当たり前』に走らなければそもそもバイクとして認めることはない。何に重きを置くか。目をつぶれば、前を行く紺野さんの、ホレボレするような走りっぷりが蘇る。

BUELL CYCLONE M2 SPCN DETAIL WORK

ビューエル サイクロン M2のハンドル

HANDLE

下の飾りは、成形しておいた中空パイプに1インチパイプを挿入。それをロウ付けで仕上げた手の凝った箇所。

ビューエル サイクロン M2のフロントフォーク

FRONT FORK

フォークはオーナー希望のV-RODの倒立タイプ。PMホイールは前後とも23インチで120のナローサイズ。

ビューエル サイクロン M2のガスタンク

GAS TANK

曲線と直線の使い方が巧みなワンオフタンク。この手の加工物はこなれたもので、クオリティも申し分ない。

ビューエル サイクロン M2のエンジン

ENGINE

ビューエルM2ベースのSPCN仕様。ヘッドはエーデルブロックでカムカバーはバルカンエンジニアリング製。

ビューエル サイクロン M2のマスターシリンダー

MASTER CYLINDER

6ポットキャリパーのダブル掛けの注文を受けて、マスターシリンダーはワイヤー引きの2基掛けシステムを採用。

ビューエル サイクロン M2のオイルタンク

OIL TANK

マスターシリンダーの変更を受けてオイルタンクを移設。トータルバランスを崩さないデザインで収納される。

BUILDER’S VOICE

NAVY’S CUSTOM CYCLE

住所 茨城県北茨城市大津町北町3301-10
電話 0293-30-5350
FAX 0293-30-5350
SHOP NAVY’S CUSTOM CYCLEのショップ紹介
営業時間 10:00 ~ 19:00
定休日 水曜日