HARLEY-DAVIDSON XL883 1993
ONE STREET MOTOR CYCLES
作り込まずに乗り味重視
チョッパー屋の初稼業
だいぶ昔から気にはなっているが、なかなか取材する機会に恵まれない。そんなショップは数え上げたらほんとキリがないんだけど、今回は、その奥歯に物が挟まったようなもどかしさを抱えたショップの内のひとつとコンタクトが取れた。
記憶をクリアにするために、本を取り出して見てみれば、今から13年も前にさかのぼる。2004年のクールブレイカー。鳴り物入りでニュースクール系カスタムを4台ひっさげて参加していたのがこのワンストリートだった。
実際ショップに足を運んでみて、その規模に軽い衝撃を受けた。ショールームとファクトリーを併設した広大なスペースは、いちカスタム屋というよりはディーラーの規模感である。しかも、目の前は国道6号線という好立地。おまけに店主の鎌田さんは、爽やかなナイスガイときている。
「これはお客さんのオーダーで作ったバイク。初めてのハーレーで、スポーツスターをこういうオフロード系にしたいってことでしたね」
用意してもらった’93年のXL883は、かつて毎年カスタムショーに出展していた同店のマシンと比べれば、比較的ライトな部類だ。しかし手数は少なくとも、パーツの選択からコイルの移設、ワンオフのマフラーなど、ちょっとした箇所にカスタムひと筋で20年近くやってきたショップとしての腕が光る。
「ここまでトラッカー風に作ったのは初めて。基本チョッパーが多いですから。だから注文を受けて、まずイメージをいろいろ探して、そこからでしたね。ポイントは乗り味重視のところかな、サスの長さだったり」
日々チョッパーをメインに扱う氏にしてみれば、新鮮なオーダーだった。鈑金加工を駆使して仕上げるのではなく、どちらかと言えば、汎用パーツをうまく組み合わせてバランスを取ってゆくスタイル。もちろんワンオフもするが、それが主ではなく、あくまでノーマルの旨味を最小限の手数で首尾良く引き出すのがポイントだ。
「フォークはノーマルで、ハンドルは汎用のダート系。タンクはスモールタンクをポン付けです。あとはシートレールをカットしてそこにループフレームを付けて、テールライトに穴を開けて通してますね」
見せ場となるマフラーには、アルミのヒートガードを付けて完成度をアップ。そして、AMF時代のグラフィックを取り入れた爽やかなホワイトカラーで彩り、抜けるような青空が似合う、どこか心躍るスタイルの一台へと結ばれる。
HARLEY-DAVIDSON XL883 1993 DETAIL WORK
HANDLE
イージーライダース製トラッカーバーに小型スイッチを付けて配線を中通し。シンプルなハンドル周りを形成。
FRONT FORK
フォークはノーマルを長さを変えずにそのまま使用。フォークブーツとフェンダーは汎用パーツを装着する。
GAS TANK
スポーツスターのスモールタイプをマウント。ペイントはAMF時代のパターンに倣い、染谷工房が担当。
MUFFLER
マフラーは鉄でワンオフした後にブラックアウト。パンチング加工を施したアルミガードがアクセントになる。
REAR SHOCK
リアショックはアイコン製14.5インチをセット。サイドバッグは納車後オーナー自身が付けたお気に入り箇所。
REAR END
シートレールをカットしてループフレーム加工。フラットフェンダーに加工したPOSH製ライトをマウント。
BUILDER’S VOICE
ONE STREET MOTOR CYCLES
住所 | 茨城県石岡市貝地2-2-22 |
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電話 | 0299-23-6667 |
FAX | 0299-23-6667 |
SHOP | ONE STREET MOTOR CYCLESのショップ紹介 |
営業時間 | 10:00 ~ 19:00 |
定休日 | 火曜日 |